2020 Fiscal Year Research-status Report
Scaling study of natural vibration induced by laser ablation
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20K14684
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
三上 勝大 近畿大学, 生物理工学部, 助教 (20722763)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レーザー / 加振 / 打音 / 検査 / コンクリート / 周波数解析 / 固有振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
コンクリートをレーザーおよび振り子を用いて誘起した振動を、レーザードップラー計を用いて評価を行った。振動の基本モードおよび高次モードのそれぞれの特徴として、その振動強度および減衰時間に着目し、比較検討を行った。基本モードの振動減衰は、レーザー加振、振り子加振の双方ともに加振エネルギーに依らず同じであった。一方で、レーザー照射加振時でのみ生じる高次モードの振動については、照射エネルギーが低くなるほどその減衰時間が早まることを明らかにした。これは、振動の基本モードが一定容量のエネルギーで過信された後、その余剰エネルギーが高次モードの振動誘起に用いられることを示唆しており、レーザー加振の特徴を解明するための緒となる成果であると考えられる。 一方で、レーザーで加振した場合のスポットサイズやエネルギーの各依存性に着目した評価についても実施、レーザー加振の特徴を明らかにした。特にスポットサイズについては、レーザーアブレーションに伴うプルーム (蒸散物) の噴出が振動誘起原理であるため、闇雲にレーザー集光径を縮小しエネルギー密度 (フルエンス) を上昇させるだけではなく、ある程度の集光径の大きさを担保することでプルーム発生面積を拡大することが重要であった。この結果は、効率的なレーザーを用いた振動誘起についての指針となる。これらの依存性評価の結果より、レーザー加振の最適化条件を導出し、レーザーアブレーションを介した間接的な加振においても、直接的な振り子加振に匹敵する加振手法条件を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標であるレーザー加振の特徴について、明らかにするために必要なデータ取得が完了できた。一方で、弾性波伝搬の評価については、新型コロナウイルスの影響によりレーザードップラー計メーカーとの連携および計測器利用が円滑に実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、実施ができなかったスキャニング方式のレーザードップラー計による振動波伝搬の評価を実施する、また、レーザー加振をアブレーションによる衝撃波および、レーザー光吸収による加熱の2つの加振過程を検証するため、熱偏向法を導入した実験系の構築、データ取得を進める。
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