2022 Fiscal Year Annual Research Report
埋設配管の面内曲げ変形振動モードを用いた老朽度センシング法の開発
Project/Area Number |
20K14685
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
高田 宗一朗 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (30835517)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 埋設管 / 面内曲げ変形振動モード / IoTセンサー / 水道管老朽化 / 非線形振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,水道管の維持管理効率化のための,水道管の面内曲げ変形モードを利用した埋設配管の老朽度センシング法の確立である.最終年度となる2022年度では,核心となる埋設管の減肉検出性能について検討をおこなった.2021年度に前倒しで実施した埋設管の振動挙動や模擬減肉管の振動挙動の基礎資料を礎にし,実際の維持管理では高価な汎用計測器を適用することが困難であることから,安価なIoTセンサーを用いた診断システムの制約を取り込んだ形での,減肉検出性能について検証をおこなった.安価なIoTセンサーに管厚診断を組み込むために,2021年度で明らかにした埋設による振動数変化を考慮し,白色雑音励振を受ける円環理論の物理モデルに基づく簡易診断モデル,管の老朽情報を帯域制限フィルタに組み込み信号を離散値化した線形判別分析法を適用した診断モデル,判別分析器を多項式カーネルのサポートベクトルマシンに拡張した診断モデルの合計3種類の判別器を設計してIoTセンサーに実装し,評価をおこなった.模擬減肉による固有振動数のシフト量とIoTセンサーの計測制約(実効サンプリング周波数1500Hz以下程度,A/D変換ビット数,計算の桁精度)から管の老朽状況を表すために2値判別が現時点で実装可能と判断した.評価の結果,サポートベクトルマシン,物理モデルに基づく簡易診断モデル,線形判別法を用いた診断モデルの順に精度が高かった.サポートベクトルマシン,線形判別法を用いたモデルは機械学習に基づく方法であり,本研究成果が前処理の帯域制限フィルタに統合されているため,今後の研究の発展に寄与するものと考えられる.
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Research Products
(6 results)