2021 Fiscal Year Annual Research Report
静電摩擦刺激と電気刺激を併用した触覚ディスプレイによる立体形状の触感再現
Project/Area Number |
20K14694
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石塚 裕己 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40784418)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 触覚ディスプレイ / 電気刺激 / 静電刺激 / バーチャルリアリティー / 微細加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
触覚ディスプレイを用いて触感や点字を再現する研究は数多く行われているが,リニアアクチュエータを使用することが多く装置が大型化するという問題がある.加えて,触覚ディスプレイによって再現される物体の触感の再現度は6-7割程度という問題もある. 以上を踏まえて,本研究では,圧力や振動を提示可能な皮膚内部の触覚受容器への電気刺激と皮膚表面への静電気力の印加を用いた静電刺激を組み合わせた触覚ディスプレイを提案する.これは,アクチュエータを用いることなく圧力とせん断力を提示することが可能であるため,装置を小型化することが可能である.加えて,これらの刺激を適切に制御することによってより実際の物体に近い触感を再現できるとも期待できる. まずは,微細加工技術を用いて電極アレイを作製した.ここでは,ヒトの指の2点弁別を参考に2 mmの感覚で,電気刺激と静電刺激用の電極を形成した.その後,この触覚ディスプレイを用いて再現される触感がどのようになっているかを評価した.これらの刺激は交流電圧を用いて刺激を行うことが多く,これらの刺激が連続的に感じられる条件を被験者実験によって明らかにした.その結果,電気刺激と静電刺激を320 Hzで提示することで圧力と摩擦力が連続的に感じられることを明らかにした.次に,これらの刺激の強度を変えて組み合わせて提示し,サンプルとして作製した凸形状と近い触感が再現できているかを確認した.実験結果から,最大で0.5 mm程度の凸形状をディスプレイ上に再現できていることが確認できた.しかし,再現度は6割程度であり,従来手法との差は見られないという結果になった.今後は刺激するタイミングの制御を適切に行うことで,再現度の向上を試みる.
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Research Products
(2 results)