2020 Fiscal Year Research-status Report
反力支持が不要な装着型力覚インターフェースの開発と運動教示への適用
Project/Area Number |
20K14700
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
奥井 学 中央大学, 理工学部, 助教 (20823488)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 力覚提示 / 空気圧 / 動作教示 / サイバーフィジカルインタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
力覚による情報伝達は,視覚・聴覚・触角と異なり大きさと向きを持つベクトル量であるため,映像や音,振動による伝達と比べてより効果的なサイバー空間から実空間への情報伝達インターフェースの実現が期待できる.しかし,据え置き型装置では使用者は移動ができない,外骨格型装置は人の関節可動域に制限がかかるといった課題がある.そこで空気噴出を用いた装着型の力覚提示装置を提案している. 本年度は,並進3自由度に力覚を提示可能な試作機を製作した.試作機に用いたノズルの基礎特性を計測し,最大で1N程度の力の提示を確認した.またノズルへの印加圧力と発生力の関係を明らかにした.ノズルから発生する力をヒトは感知できるか確かめるために試作機を用いた主観評価実験を行った.その結果,すべての被験者において力の発生方向を検知できることを確認した.試作機を手に取り付け,力覚による位置誘導実験を行い,提案デバイスが誘導に応用可能であることを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前期は新型コロナウイルスの影響で実験の実施などに遅れが生じたが,後期の実験がトラブルなく実施できたためおおむね計画通りに進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
採択時の計画に沿って実施する.ただし,(3)-②「力覚をインターフェースとした際の人間げの基礎的影響の解明と制御系構築」については研究の進展によっては実施を見送る可能性がある.理由は,提案手法の発生力が1N程度と小さく装着者の運動に及ぼす影響がかなり小さい可能性が出てきたためである.(3)-②を実施しない場合には,本年度に開発した力覚提示装置を用いて仮想壁などの仮想物体の提示を行い,仮想物体提示における既存手法に対する提案手法の優位性を明らかにする.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により,2020年度前半は実験室での実験を計画通りに進められなかった.そのため,実験用物品の購入額が想定よりも小さかった.また,学会がオンライン開催や中止となったため,旅費や学会参加費が生じなかった.
|