2022 Fiscal Year Annual Research Report
加振によりバックドライブ切り替え可能な遊星ギヤ:切り替えに適する加振素子の解明
Project/Area Number |
20K14704
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
野田 幸矢 福島工業高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (60803278)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遊星歯車減速装置 / 加振 / バックドライブ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度まで,歯車の効率に関するNiemannの理論と両角らの遊星歯車の効率に関する理論をもとに静力学的な解析を行い,バックドライブしにくい条件が固定ギヤと出力ギヤの歯数差に依存することが明らかになった.最終年度となる本年度では上述のモデルを動力学モデルに発展させ,以下のことを解析した. (1)終端速度に関しては,固定ギヤと出力ギヤの歯数差が小さく歯面の動摩擦係数が大きいほど存在しうる.今回開発した実験装置では動摩擦係数が0.174であったため,前述の歯数差を1としても加速し続ける. (2)印加される荷重,加振周波数,振幅が増大するほど必要な加振力は増大する. このため,(1)の終端速度に関しては検証せず,(2)の結果に関して提案した動力学モデルが妥当か加振力を振動子の使用状況から推定した.振動子として,DCモータを使用した偏芯カムを選定した.昨年度改良した実験装置では,繰り返し使用すると軸が摩耗したため,今年度表面焼き入れを行った軸材に交換し耐久性を向上させた.軸受部分におけるバックラッシュより大きな変位が得られるように振幅を1 mmとし,加振周波数としてはおよそ5, 10, 15 Hz程度とした.その結果,推定した加振力の結果は動力学モデルの結果とおよそ一致した. このことから,提案した動力学モデルを使用すればバックドライブさせるために必要な加振力を予測できることを確認した.また,適切な振動子として軸受部分のバックラッシュを考慮しモータと偏芯カムを組み合わせたものが良いことも分かった.
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