2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of monotonicity analysis method for optimal resource operation
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20K14711
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
小池 雅和 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (70756337)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 単調性 / 解の候補 / 二次計画問題 / 前日計画 / 電力 / 蓄電池 / 不確かさ / 区間解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は①複数蓄電池を考慮した問題においての単調性解析,②火力機のランプレイト制約を加えた問題においての単調性解析,について研究した.その結果,蓄電池二つの場合には条件付きで単調性が保存することを明らかにした.また,ランプレイト制約を加えた問題では,解の候補を用いた既存の解析手法では単調性解析を進める事ができないことを明らかにした.以下に詳しく報告する. 【①複数蓄電池を考慮した問題においての単調性解析】 二つの蓄電池を供給者側が有していると想定して,理論解析を進めた.その結果,蓄電劣化費に比べ,火力発電機の燃料費が安いような状況では解(火力機の最適な発電電力プロファイル)の単調性(需要プロファイルに対する)が理論的に保存されること示した.2021年現在,蓄電池は高価であるため,現状の電力システムでは上記の条件を満たしている.この結果は,61st Conference on Decision and Controlの国際会議に投稿中である. 【②火力機のランプレイト制約を加えた問題においての単調性解析】 既存の理論解析を用いた場合には,解の単調性を示すことはできなかった.ただし,数値シミュレーションを用いて,解の候補(16777216パターン存在する)の単調性パターンを計算した結果,単調性パターンには特定の傾向があることが分かった.それは「n時刻の火力機の発電電力はすべての時刻の需要に関して同符号の単調性を有する」である.この情報があれば,厳密な解の幅は見積もれなくても,解の幅を包含するような幅を見積もることが可能である.なお,この結果は,2020年9月開催のSICE AC 2021(国際会議)で発表し,Winners and Finalists of International Awardに選ばれ,Application Awardを受賞した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では令和2年度に【①複数蓄電池を考慮した問題においての単調性解析】を実行する予定であった.しかしながら,n個(複数)の蓄電池を考慮するところまでは進めることはできず,スペシャルケースである蓄電池二つのケースのみ解析に留まっている.この点では進捗状況は遅れている. 一方,令和3年度に予定している【②火力機のランプレイト制約を加えた問題においての単調性解析】に関しては令和2年度に進めることが出来た.この点では進捗状況は進んでいる.上記の事情を鑑みて「概ね順調」の評価を選択した.
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度では【複数蓄電池を考慮した問題においての単調性解析】に関しては二つの蓄電池のケースに留まり,【火力機のランプレイト制約を加えた問題においての単調性解析】に関しては完了している.そこで,研究計画を以下のように変更する. 【複数蓄電池を考慮した問題においての単調性解析】(令和3年度・前半) 三つの蓄電池のケースでの解析を行い,n個(複数)の蓄電地のケースに一般化して解析を進める.【ネットワーク構造つきの問題においての単調性解析】(令和3年度・後半) 令和4年度に実施予定の「単調性が保存されるケースに共通する行列構造の抽出」に関して,制約条件のバリエーションが不足していると遂行しづらいため,ネットワーク構造つきの問題における単調性解析も実施する予定である. 【単調性が保存されるような制約不等式の共通する行列構造の抽出】令和4年度 今まで扱った最適化問題で単調性が保存されていた問題における,制約不等式・制約等式・目的関数を整理する.特に,3次元CADを用いて制約不等式の領域を正確に可視化することで,これらの共通事項を幾何学的な観点から抽出する.
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Causes of Carryover |
学会発表がオンラインであったため,参加費が安価であったため. 令和3年度のデータ解析の人件費として使用する予定です.
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