2020 Fiscal Year Research-status Report
Effective use of renewable energy sources by weekly dispatching of various electrical demands
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20K14715
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今中 政輝 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任助教 (70758458)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電力システム / 離島 / 再生可能エネルギー / 蓄電池 / デマンドレスポンス |
Outline of Annual Research Achievements |
離島の独立した電力システムでは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー(再エネ)の導入が燃料費の削減に大きな可能性を占めている。しかし、独立した電力システム内で発電と消費のバランスを常に維持しなければならないことが、大規模な導入のボトルネックとなっている。電力の需給バランスの維持のため、電力の使い方を制御する「デマンドレスポンス」や蓄電池への期待が高まっている。しかし、それらを数日から数週間といった長期を考慮してどのように組みあわせて運用していくかについては、まだ研究途上にある。 本研究は、2030年から2050年の将来を対象に、人口数万人規模の大規模な離島に着目した電力・エネルギーモデルを構築し、蓄電池やデマンドレスポンスの運用手法を提案し、その効果を解析する。今年度は、デマンドレスポンスのビジネス化に向けた調査を進めるとともに、端緒的な検討として、2030年と2050年の大規模離島における蓄電池による再エネ比率向上と出力抑制低減効果について、8760時間のシミュレーションによる感度解析を行い、蓄電池の有用性を評価した。 2030年を想定した感度解析の結果として、蓄電池がなく、かつ現状のディーゼル発電機の運用ルールを前提にした場合には、再エネの発電量6割程度を出力抑制しなければならなくなるが、島民1人あたり1kW、5kWh程度の蓄電池の導入でも、再エネ抑制率を30%程度まで低減できることを確認した。また、ディーゼル発電機の最低運転台数を減らすことにより、さらに再エネ抑制率を低減し、島の電力に占める再エネによる供給割合を高められることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ渦での緊急事態宣言などもあり、当初の想定ほど作業の時間が確保できなかったことに加え、離島への訪問によるヒアリングや現地調査ができなかったことにより、送水システムのモデル化を中心に、デマンドレスポンスのモデル化が一部遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
冬季を中心に比較的長期のデマンドレスポンス対象となりうる、送水システムのモデル化を進める。並行して、送水システムを含めた離島電力システムの混合整数線形計画問題による最適化モデルを構築する。 構築した最適化モデルを用いて、最適化期間を2週間程度とした年間の電力需給のシミュレーションを行う。シミュレーションにおける運用状況に基づいて、送水システム・ヒートポンプ給湯機・定置用蓄電池の協調運用手法を分析する。
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