2021 Fiscal Year Research-status Report
A Proposal of Novel Integrated On-board Converter for EVs with Dynamic Wireless Power Transfer System
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20K14723
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
太田 涼介 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 助教 (60866193)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ワイヤレス電力伝送 / 非接触給電 / 走行中給電 / マルチポートコンバータ / Wireless power transfer / Inductive power transfer / Dynamic charging / Multiport converter |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,下記の3項目を実施した。①走行中非接触給電(DWPT)EVの車載システムを統合する新しいコンバータとして,Multi-port Active Bridge (MAB)コンバータの有効性の確認,②補機系統の充電機能を統合する新しいコンバータの提案,③Soft-switching Active Bridge (SAB)コンバータの有効性の確認及び高効率制御方法の提案。 ①MABコンバータ及び従来コンバータを試作し,その静的な条件における動作確認(1kW程度)と効率の比較を行った。結果として,走行中給電を想定した条件において,従来のものに対して約1.4pointの高効率化に成功した。一方,停車中の給電を想定した条件では,中~高出力領域において提案コンバータの効率が約0.6point下回った。これらの成果は損失解析を行い,後日発表する予定である。 ②車載するWPTシステム及び補機系統の電源システムを統合する新しいコンバータを提案した。通常,補機系統用のバッテリはメインバッテリに絶縁型DC-DCコンバータを接続して行われる。そこで,WPTシステム用のAC-DCコンバータにその機能を統合し,高耐圧スイッチングデバイスを最大4つ削減する回路方式を提案した。その成果は国際会議(EPE’22 ECCE Europe)に発表予定である(採択済)。 ③前年度提案したSABコンバータのさらなる有効性を確認するため,走行中給電に適したLCC/LCC共振回路方式に接続した場合の検証を行った。その結果,従来回路に対して,最大出力時(2.5kW)に約1.0pointの高効率化に成功した。この成果も②と同様の国際会議に発表予定である(採択済)。加えて,出力電力に応じてコンバータの駆動相を切り替える手法を提案し,最大2.5pointの効率改善に成功した。その成果は国内の研究会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度当初の計画では,下記2項目(①については2020年度と分割)を実施する予定であった。①DWPTによる給電状況とEVの走行状態を考慮した最適動作の導出,②従来システムとの効率比較による,提案システムの有効性および有効範囲。 国際特許に申請する際に実験結果が必要であったため,②の一部(実験的比較)を先行して実施した。有効性の確認はできたものの,①を実施できず,②も完了していない状況である。そのため,本研究は2年で完了する予定であったが,1年の延長を行った。 これらの原因は,実験装置の故障と本研究から派生した新しいコンバータ(2つ)の検討を進めたためである。実験装置の故障については,製作した回路に欠陥があり,当初設計した電力帯(3kW)における動作が難しく,回路基板や部品の再検討が必要となった。さらに,昨今の半導体不足により,選定した部品を大幅に変更する必要があった。 また,本研究から派生したコンバータについては,当初の研究計画にはなかったものの,2020年度提案したSABコンバータはIEEJ Journal of Industry Applicationsに掲載され,関連成果を国際会議に採択,国内の研究会で発表を行うことができた。当初計画していた方法とは異なるものの,DWPTシステムの高効率化には大きく寄与できたと評価している。 加えて,2021年度に提案した車載するWPTシステム及び補機系統の電源システムを統合する新しいコンバータは検討の結果,著名な国際会議に採択された。こちらについても当初の研究計画にはなかったものの,車載パワーエレクトロニクスシステムを統合して低コスト化を行うという側面で,本研究目的の達成に大きく寄与できたと評価している。特にこのコンバータについては,MABコンバータにその機能を組み込むことができるため,さらなる低コスト及び高効率化に寄与できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初,2021年度は,下記二項目を実施予定であった。①DWPTによる給電状況とEVの走行状態を考慮した最適動作の導出,②従来システムとの効率比較による,提案システムの有効性および有効範囲の確認。しかし,両項目について進捗が遅れている。「進捗状況」で報告したように,実機の高出力化に問題があったため,現在,新たに回路を製作し再度実験を試みる予定である。もしもうまく動作できなかった場合は,早々に定格を引き下げ,研究計画の遂行に注力したい。 効率解析においても,モデルを簡易化させ,研究計画の遂行に注力したい。そして,早期のうちに論文誌への投稿を行う予定である。 その他,本研究により派生した回路方式はどれも有用性が確認できているため,それについても検討を続行したい。
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Causes of Carryover |
2021年度の計画に遅れが生じ,2022年度に持ち越したため。持ち越した金額は新しく製作する回路部品に充てる予定である。
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