2022 Fiscal Year Annual Research Report
交流インピーダンス法による使用履歴不明なLiイオン電池向け劣化診断技術の開発
Project/Area Number |
20K14729
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Research Institution | Japan Automobile Research Institute |
Principal Investigator |
安藤 慧佑 一般財団法人日本自動車研究所, 環境研究部, 研究員 (80866161)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リチウムイオン電池 / インピーダンス測定 / 劣化診断 / 拡散過電圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境問題に対する意識の高まりから,リチウムイオン電池(LIB)を搭載した電気自動車の普及が進められているが,課題の一つとして車載LIBの劣化による航続距離の低下がある.車載LIBはその使用環境・方法が様々であることから,中古車両の残存性能評価には,車載LIBの性能低下(容量減少・出力低下)を個々に診断する必要がある.本研究では,LIBにおける高精度で実用的な劣化診断技術を開発するために,LIBの劣化による容量減少とインピーダンス変化の関係を解明することを目的とした. 今年度は,LIBの劣化要因の一つである活物質の劣化がインピーダンス変化に及ぼす影響を調査するために,電池性能シミュレーターを用いて,活物質の特性(交換電流密度および粒子内イオン拡散係数)と応答過電圧の関係を評価した.具体的には,電池性能シミュレーターはBattery Design Studio(Newmanモデル)を用いて,活物質粒子(LiNi0.8Co0.15Al0.05O2)のイオン拡散係数(5×10^-5, 5×10^-6, 5×10^-7, 5×10^-8, 5×10^-9, 5×10^-10, 5×10^-11 (cm^2 S)),交換電流密度(1×10^-2, 1×10^-3, 1×10^-4 (A/cm^2),粒径(5, 10, 15, 20 (μm))をパラメータにハーフセルモデルを作成した.そのモデルに対し,様々な電流で通電試験(1s充電、2s休止、1s放電)を行い,最後の放電状態の電圧からTafel解析を行なった結果,以下の知見を得た. ・拡散係数が小さいと,1s通電でも過電圧の原因になるため,Tafelプロットが曲がる ・交換電流密度が小さいと,拡散係数の小ささが影響しにくい ・粒子が小さいと,拡散係数の小ささが影響しにくくなる 以上の結果を元に,劣化診断時のインピーダンス周波数を選定していく.
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