2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on all-optical simultaneous wavelength converter for next generation photonic network
Project/Area Number |
20K14733
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三科 健 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (90466368)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 全光波長変換 / 窒化シリコン / 全光信号処理 / シリコンフォトニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、低コスト光集積化が可能なシリコンリッチ窒化シリコン(SRN)導波路を用いた多波長一括型全光波長変換技術の確立を目的とする。2020年度は、計算機シミュレーションにより導波路の設計および一括波長変換動作の確認を行った。 波長分割多重(WDM)を利用した光通信ネットワークに柔軟に適用するためには、広い範囲の波長帯域に亘って高効率な波長変換動作が求められる。波長変換動作の波長依存性は、導波路の群速度分散(GVD)パラメータに大きく依存し、GVDパラメータが零に近いほど広帯域の波長変換が可能となる。また、導波するモードの非線形係数が大きい方が高変換効率の動作が可能となる。ポイント・マッチング法を用いた導波モード解析を行い、導波路のコアサイズが0.51μm×0.51μmの時に、零に近いGCDパラメータと大きな非線形係数 393(1/W/m)を両立する結果が得られた。 設計したSRN導波路のパラメータを用いてWDM信号の波長変換シミュレーションを行った。32Gbaud×8チャネルのQPSK信号と励起光を用いて、C帯の端である1565 nmからS帯の1495 nmに亘る70 nmの広帯域波長変換動作が可能であることを示した。また、波長変換によるパワーペナルティは0.3 dB以下となり、変換動作による信号の劣化は非常に小さい結果が得られた。本研究成果は、光エレクトロニクス分野のトップカンファレンスであるCLEO2021に採択された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、初年度に提案する多波長一括型全光波長変換の基本波長変換動作の確認およびなシリコンリッチ窒化シリコン(SRN)導波路の一次設計まで完了しており、おおむね順調に進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度以降は、さらに詳細な波長変換特性(変換可能な波長多重数、入力光電力の上限)を明らかにする。さらに、先進的な変調フォーマットであるQAM方式等の変調信号への適用可能性を調査する。 また、提案する波長変換器を適用するネットワークの伝送距離は数十km~数百kmとなる。光ファイバ伝送シミュレーションにより、波長変換後の光信号の伝送特性を調査する。
|
Causes of Carryover |
当該年度の国内学会・国際会議の参加予定を次年度に見送ったため、旅費および参加費の執行額が当初少なくなったため。次年度に開催される国内学会・国際会議に参加予定であるが、新型コロナウィルス感染症の影響を考慮して、次々年度に繰り越す可能性がある。
|