2020 Fiscal Year Research-status Report
超直交畳み込み符号及び超広帯域無線を適用したWBANにおける数理的・実験的研究
Project/Area Number |
20K14737
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
高林 健人 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (70803336)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IoMT / 無線ボディエリアネットワーク / 超広帯域無線 (UWB) / 超直交畳み込み符号 |
Outline of Annual Research Achievements |
人びとの間での健康意識や健康長寿社会を目指す機運の高まり,将来の医療費高騰への対策として,小型でウェアラブルな生体センサを始めとした医療・ヘルスケア機器・ロボットを用いた在宅医療や遠隔医療システムを構築するための医療・ヘルスケアIoT(Internet of Medical Things: IoMT)に注目が集まっている.IoMTシステムの発展を支えているのは,体の表面近くに配置された生体センサを柔軟に接続するための無線ボディエリアネットワーク(WBAN)である.本研究課題の目的は,超広帯域(UWB)物理層と超直交畳み込み符号(SOCC)を適用した無線ボディエリアネットワーク(WBAN) の高信頼と省エネルギー性を理論解析及び計算機シミュレーションによる数理的手法,及び評価モジュールを用いた実験的手法により明らかにすることにある.初年度に行ったこととしては,IEEE 802.15.6のUWB物理層の通信プロトコル及び超直交畳み込み符号(SOCC)を適用した場合の数理モデルを文献を調査しながら構築し,計算機シミュレーションを実装した.その際,当初想定していたチャネルモデルに加え,よりウェアラブルWBAN環境に適したチャネルモデル (動的チャネルモデル) を適用した.今後の方針としては,初年度に構築した計算機シミュレーションにより提案手法の評価,及び本提案方式の数理モデルから理論解析を行い,計算機シミュレーションとの結果を比較し,パラメータの最適化を行う.その後,評価キット・モジュールによる試験システムの構築を行い,実験的に提案手法の有効性を確認する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に行う予定であった項目としては,IEEE 802.15.6のUWB物理層の通信プロトコル及び超直交畳み込み符号(SOCC)を適用した場合の数理モデルを文献を調査しながら構築し,計算機シミュレーションに落とし込んだ上で,提案手法のパケット誤り率や再送回数,エネルギー効率等を評価し,その有効性を検証することであった.その際,通信路として単純なモデルである加法性白色ガウス雑音 (AWGN) 及び,ウェアラブルWBANの通信路の一つであるUWB物理層で想定されるIEEEモデル CM3等を用いて構築することを目標とした.しかしながら,コロナ禍における大学構内への立ち入り制限や,それに伴う様々な雑務,及び同時並行で行っている別研究の進捗度合いもあり,計算機シミュレーションを構築する段階まで行えている.加えて,当初想定していたチャネルモデルよりも,よりWBAN環境に適したモデルを文献調査により発見したため,そちらの実装にも時間がかかったため,当初の予定よりもやや遅れた状況となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に構築した計算機シミュレーションにより提案手法の評価をまず行う.その際,初年度に調査したWBANにおける動的チャネルモデルを適用した場合の評価を加える.さらに,本方式の数理モデルから理論解析を行い,計算機シミュレーションとの結果を比較し,パラメータの最適化を行う.その後,評価キット・モジュールによる試験システムの構築を行い,実験的に提案手法の有効性を確認する.その際,状況に応じて全てセンサモジュールを用いて行うか,一部ソフトウェアで代替して行うかを判断する.
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