2021 Fiscal Year Research-status Report
超直交畳み込み符号及び超広帯域無線を適用したWBANにおける数理的・実験的研究
Project/Area Number |
20K14737
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
高林 健人 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (70803336)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IoMT / 無線ボディエリアネットワーク / 超広帯域無線 (UWB) / 超直交畳み込み符号 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療・ヘルスケア機器・ロボットを用いた在宅医療や遠隔医療システムを構築するための医療・ヘルスケアIoT(Internet of Medical Things: IoMT)に注目が集まっている.本研究では,IoMTシステムを構築する上での重要技術である無線ボディエリアネットワーク (WBAN) の国際標準規格であるIEEE 802.15.6で選択可能な超広帯域無線 (UWB) 物理層に対し,超低符号化率の誤り訂正符号を生成可能な超直交畳み込み符号 (SOCC) を適用した場合の性能評価を行った.計算機シミュレーションの結果,シングルパルスオプション適用時において,標準規格の誤り訂正符号では十分な信頼性が得られない一方で,SOCCを適用することにより十分な信頼性を得つつ,高いエネルギー効率も得られることが確認出来た.具体的には,標準規格で定められているスペクトル密度に準拠した場合,標準規格で規定されている誤り訂正符号を適用した際には送信失敗率が0.1を上回ってしまう一方で,SOCCの符号化率を1/2とした時には送信失敗率が0.1以下となり,SOCCの符号化率を1/8とした時には送信失敗率が0.01以下となることを確認した.加えて,SOCCと標準規格で規定されている誤り訂正符号とほぼ同程度の符号化率のリード・ソロモン符号を組み合わせることにより,より高い信頼性が得られることも確認出来た.さらに,バーストパルスオプション適用時の性能評価も行い,チャネルモデルによってSOCCの符号化率とUWB物理層のパルス数の最適な組み合わせが異なることも確認した.具体的には,処理利得を8とした場合,AWGNチャネルモデルでは,SOCCの符号化率を1/2,パルス数を4とした時に最適となり,IEEEモデルCM3では,SOCCの符号化率を1/4,パルス数を2とした時に最適となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度及び第2年度において,IEEE 802.15.6のUWB物理層にSOCCを適用することの有効性を,計算機シミュレーションにより確認することが出来,加えて,SOCC及びUWB物理層のパラメータの最適な組み合わせも確認出来た.さらに,当初は想定していなかった,より現実的なWBAN環境を想定したチャネルモデルを適用した際の性能評価も行うことが出来ており,予想以上に様々な検討が出来ている.
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Strategy for Future Research Activity |
計算機シミュレーションによるIEEE 802.15.6のUWB物理層にSOCCを適用することの有効性の確認は出来たため,実機への実装による性能評価の確認を目指す.ただし,実機への実装が難しい場合は,一部をソフトウェアへの実装で代替し,性能評価を行うこととする.加えて,評価結果をまとめて論文として発表を行う.
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Research Products
(2 results)