2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on high-linearity optical modulator for next-generation analog radio-over-fiber systems
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20K14745
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
山口 祐也 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所ネットワーク基盤研究室, 研究員 (30754791)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光変調 / 光ファイバ通信 / 光ファイバ無線 / 光エレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アナログ光ファイバ無線の高度化のための光変調デバイスに関して取り組んでいる。アナログ光ファイバ無線を高性能に実現するためには、光信号と無線信号の間の高効率かつ高線形性なコヒーレント変換が重要である。線形性の高い光変調デバイスとしてLiNbO3(LN)変調器があげられるが、マッハツェンダ干渉計構造による光強度変調動作は理論的に高次の高調波成分を含んでおり、それが変調歪みとして信号を劣化させる。本研究では、これらの課題を解決するための高線形な光変調デバイスを実現し、その性能向上を目指している。 本年度の成果として、光変調デバイスにおける新規断面構造の導入による光変調効率の向上を確認した。LN結晶は高い電気光学効果を有する一方で、マイクロ波帯では高い誘電率を持つことから、低損失高周波線路用の基板としては適していない。そこで従来のバルクLN基板に対して光導波路を形成するのに必要な部分のみを残し、その他の支持基板に相当する箇所を低誘電率材料に置き換えることで変調器としての性能が向上することが知られている。また、我々が提案している変調器の応答関数制御技術は薄膜構造のLN変調器にも適用可能であることを数値計算により確認している。実際に試作したデバイスでも変調効率の増大が確認されており、従来のバルク型と比較して駆動電圧を半分以下へと低減した。また、デバイスの応答関数の制御技術を拡張させることでアナログな信号処理(波形整形)動作についての実証を行った。今回の試作ではアナログな電圧入力に対して4値の擬似デジタルな光強度出力が得られる設計とした。試作したデバイスは設計通りの応答を示しており、提案している変調器応答の設計技術が高次に拡張可能であることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デバイスの高性能化と理論の拡張はおおむね計画通りに実施できている。引き続き、研究計画に基づいて順次進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られたデータと知見に基づいてさらなる高性能化を進めていく。また、デバイスだけでなく、それを用いたアナログ光ファイバ無線システムの実験を通したデバイス評価の準備を進めている。
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Causes of Carryover |
概ね予定通りの使用額であったが、残額については翌年度の物品費として使用予定である。
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Research Products
(1 results)