2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K14746
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
小畑 輝 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 事業化支援本部多摩テクノプラザ電子技術グループ, 副主任研究員 (50781027)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 反射抑制 / 電波吸収 / アンテナ / スロット / 周波数選択表面 / 電磁界解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究にて提案する金属パッチ層、誘電体層、スロット層からなる周波数選択表面を利用した電波吸収体の試作評価を行った。金属パッチ層には円形状、スロットには矩形形状を選択し、電磁界解析にて本研究の提案形状の最適化を行った。試作品にはFR-4基板に6×6の金属パッチおよびスロットを配列させ、スロットの1か所に導波路(マイクロストリップ線路)を接続した試作品の評価を行った。その結果、入射角0~15°において-15dB以下の反射特性と、入射角0°において4.8dBiのアンテナ利得が得られることを確認し、電波吸収体およびアンテナとして機能することを示すとともに提案構造の有効性を実証した。また、評価結果を電磁界解析結果と比較し、周波数特性や反射特性および利得に差異はあるが同様の角度特性であったことを確認済みである。 アンテナ利得向上による受電効率の改善を目的に、導波路部のアレー化を検討した。対称性より8×8の周期配列モデルを選択し、導波路端から分岐をさせ各スロット直下に導波路が配置されるような並列給電回路構造(一般的なアレーアンテナの給電回路に用いられるもの)を基本モデルとした。任意の周波数5.7GHzにおいて、反射特性とアンテナ利得を解析し最適化を行ったところ、-20dB以下の反射特性とメインローブ9.85dBiの利得を得られることを確認した。このことから、アレーアンテナ同様アレー化によりアンテナ利得の改善をした上で、特定周波数の反射抑制効果を得られることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定した2021年度の研究計画は直流変換時の素子数を削減するために、高周波の状態で電波合成を目的とした①構造のアレー化および②スロットと導波路の配置の最適化であった。①についてはアレーアンテナの給電回路に用いられる並列給電回路を用いて実現可能なことを確認した。②については電磁界解析を用いて”周波数”,”反射特性”および”アンテナ利得”を最適化することができたが、アンテナ利得のメインローブ角度を考慮できてない。これらの達成すべき特性に対し、スロットや導波路の形状など影響する要素が多く、また現状ほとんどのパラメータを独立して決定できないことが最適化手順決定の遅れの理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、予定を達成できなかった、アレー化により動作周波数(波長)から最適な配列周期が決定される中,所望の特性(反射特性、アンテナ利得、メインローブ)を得るためにどのような設計手順が必要か電磁界解析を用いて明らかにする。その後,2022年度の研究実施計画に沿って研究を進める。複数の周波数帯域に対応する構造の検討と、整流回路の実装によりRF-DC変換を含めた評価を行う。
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Causes of Carryover |
昨年度試作を予定していたアレー形状の設計が遅れ、一部使用できなかった予算が生じたため。アレー化した試作品および複数周波数に対応した試作品の外注費として使用する。また、一部部品を自作したことにより浮いた費用を用いてパターン設計用ソフトの購入を行う予定である。
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Research Products
(2 results)