2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of 3D Inverse Scattering Analysis with No Prior Information on Incident Field
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20K14757
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
圓谷 友紀 福岡大学, 工学部, 助教 (50782330)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電磁波工学 / シミュレーション / 非破壊検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
対象物体へ入射する波は印加電流(一次波源)からの電波だけでなく,携帯電話の基地局などから発生する妨害電波も含まれており,これらの電波が重ね合わされた状況で電磁界の観測データから入射波抽出を行えると便利である.そこで,3年目の2022年度は,平面波だけでなく線波源から発生した円筒波も観測円内部に入射する場合で,観測データから入射波を抽出する検討を中心に行った.平面波および円筒波が導体円柱に入射するときの観測データを数値シミュレーションで求め,これまでに提案した数値積分手法に基づく入射波抽出法を適用し,入射波を再構成できることを確認した.この成果は,国内の学会で発表している.さらに,磁界の観測データを不要とするために,観測円を二つ設けて,二つの円周上で取得した電界の観測データから入射波を抽出する方法を新たに検討した.なお,観測データに20 dBのノイズが混入されていたとしても,入射波をある程度抽出できることを確認している.この成果は学術論文としてまとめており,論文の掲載が決定している.主な研究目的である三次元問題における入射波抽出については定式化の途中であり,学会発表に向けて準備を進めていく. その他,層状媒質の電波散乱解析に周波数領域解析法を利用することで電界の波形データを高速に求める研究,人工ニューラルネットワークを用いて層状媒質の比誘電率分布を推定したり,媒質内部の空隙を検出する研究にも参画しており,共著者として国内学会の発表に協力している.一部の研究については学術論文として成果をまとめ,論文の掲載が決定したものがある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究項目の一つである「電界データのみから入射波を抽出する検討」は概ね順調に行えているが,主目的である「三次元問題における入射波抽出」については検討途中であるので,やや遅れているとした.
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Strategy for Future Research Activity |
三次元問題における入射波抽出の定式化は途中の段階であるため,共同研究者と情報交換を行い,研究計画の妥当性について検討を重ねる.
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Causes of Carryover |
研究期間を延長したため,次年度の使用額が生じている.この経費は国際会議の出張に使用する.
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