2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of 3D Inverse Scattering Analysis with No Prior Information on Incident Field
Project/Area Number |
20K14757
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
圓谷 友紀 福岡大学, 工学部, 助教 (50782330)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電磁波工学 / シミュレーション / 非破壊検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,逆散乱問題の求解,三次元問題における入射波抽出に関する検討を行った.前者では,波形の周波数解析と層状媒質の散乱解析を利用することで,層状媒質からの反射波データを高速に求める研究,人工ニューラルネットワークを用いてコンクリート内の空隙や鉄筋推定に関する研究に参画し,共著者として国内学会の発表に協力した.一部の研究は学術論文として成果をまとめ,論文の掲載が決定したものがある.後者は具体的な成果を発表できなかったが,引き続き検討を進めている. 研究期間全体として,妨害電波が観測データに入った場合,電界の観測データのみを用いた場合の入射波抽出において成果が得られた.対象物体へ入射する波はアンテナからの電波だけでなく,携帯電話の基地局などから発生する妨害電波も含まれており,これらの電波が重ね合わされた状況で電波の観測データから入射波抽出を行えると便利である.そこで,平面波だけでなく線波源から発生した円筒波も観測円内部に入射する場合で,観測データから入射波を抽出する検討を行った.平面波および円筒波が導体円柱に入射するときの観測データを数値シミュレーションで求め,これまでに提案した数値積分手法に基づく入射波抽出法を適用し,入射波を抽出できることを確認した.さらに,磁界の観測データを不要とするために,観測円を二つ設けて,二つの円周上で取得した電界の観測データから入射波を抽出する方法を新たに検討した.なお,観測データに20 dBのノイズが混入されていたとしても,入射波をある程度抽出できることを確認している.この成果は,学術論文として発表した.
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