2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on a Practical Control System Design Method for Integrated Design of Performance and Cost on Model-based Development
Project/Area Number |
20K14764
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
脇谷 伸 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 講師 (00728818)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モデルベース開発 / 制御系設計 / 同時最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年の目標である,モデルベース開発(MBD)における機能と設計コストの同時最適化に基づく新しい制御システムの設計手法の提案について調査・研究を進めた。R2年度の実績として,MBDにおける機能の最適化問題を中心に研究を進め,その成果について国際会議1件,国内会議1件報告した。 MBDにおけるシステム設計において,制御系の適切な設計は機能目標の実現に大きな役割を果たしている。しかし,これらの設計場面の多くでは,プラントの設計が事前に完了しており,このプラント特性の条件下で所望の制御性能を満たすように制御器の構造やパラメータを調整することが多い。特に制御対象に高次成分や強い非線形性,大きなむだ時間などが含まれる場合は,PID 制御器などの低次の制御器では高い制御性能を達成することが難しく,一方で,高次の制御器を導入してしまうと,制御パラメータの調整が煩雑になり,かつシステムの不確かさによって,制御ループの安定性を損なう恐れもある。したがって,サブシステムの設計においては,上流で決定された機能目標に対して,プラントとコントローラが同時に最適化することが求められる。本年度の研究では,この制御系設計において,プラントと制御器の同時最適化問題を追従性と安定性のトレードオフを考慮した最適化問題として定式化し,プラントおよび制御器のパラメータの同時最適化をベイズ最適化手法に基づいて実施した。また,本手法の有効性を数値シミュレーションにより検証した。これにより,制御系設計において制御パラメータだけでなくプラントパラメータを変更することにより,設計の自由度を増やすことでより柔軟な制御系設計ができることを確認した。これらの研究成果を踏まえ,R3年度では各パラメータにコストの概念を導入した最適化問題に着手する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では,R2年度の段階で機能とコストの同時最適化問題にまで着手する予定であったが,研究の過程で,プラントと制御器の同時設計による制御系の機能設計手法に関する検討の必要性が生じたため,こちらの研究を実施した。この研究成果により,プラントの設計コストを抑えるような制御パラメータの組み合わせも探索できるようになり,今後の性能とコストの同時最適化にあたって,より良い結果を得るための成果を得られたと考えている。したがって,当初計画から進捗がやや遅れてはいるが,この研究成果によってR3年度で実施する機能とコストの同時最適化がよりスムーズに実現できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の方策に基づき,研究を着実に進展させる。 I.パラメータとコストを内包するモデルとこれに基づく機能とコストの同時最適化手法について検討する。 II.Iの概念をMATLAB/Simulinkによる実装可能なモデルとして実現し,昨日とコストの同時最適化シミュレーションを実施する。 III.学会発表および論文執筆:これまでの成果について,国内外にて学会発表を行うとともに,学会にて得られた意見などを踏まえて論文を執筆し学会誌への投稿を行う。 IV.R4年度の実験計画を作成し,準備を行う。
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Research Products
(2 results)