2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Cooperative Robot Considering Both Safetys and Productivity for Flexible Production System
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20K14770
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
吉岡 崇 香川高等専門学校, 電気情報工学科, 講師 (40824412)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モーションコントロール / 産業用ロボット / 人-ロボット協調 / 力制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、①様々な接触対象に対する力覚制御系の安定性解析と、②様々な接触対象に対し安定に振る舞う力覚制御アルゴリズムの確立、③垂直多関節ロボットを用いた人協働ロボットシステムの実機検証の三段階からなる。そのうち、令和3年度は主に②を遂行しつつ、それと並行する形で③の一部を遂行する計画となっており、計画全体としてはおおむね計画通りに推移している。内容としては、(1)広帯域外乱オブザーバを用いた力覚制御系の構築、(2)垂直多関節ロボットアームの実機作成を実施した。 具体的には、(1)について、令和2年度に実施した「制御系の安定性解析を通じた設計指針の定式化」により得られた成果を活用し、広帯域外乱オブザーバを用いた力覚制御系の設計およびその安定解析を行った。数値計算ソフトウェアを用いた計算機シミュレーション、および香川高専が保有する水平3軸ロボットアームを用いた実機実験を実施し、提案する制御系の有効性を確認した。また、(2)について、当初の計画では保有する水平3軸ロボットアームの改造を行う形で垂直多関節ロボットアーム化することを想定していたが、総合的に判断して別の方策を採用することとした。市販品の改造については工程の半分程度が完了しており、令和4年度前半には力覚制御の実機実験を行える状態になると予想される。 これらの計画を令和3年度中に遂行するため、垂直多関節ロボットアームの購入費用として700千円、リアルタイム制御リアルシステムの購入費用として200千円を計上した。また、解析用ソフトウェアのライセンス更新費用については別財源により賄うこととした。また、学術学会に参加し本研究課題に関する情報収集を行うため、学術学会参加にかかる参加登録費を計上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度の実施内容のうち(1)「広帯域外乱オブザーバを用いた力覚制御系の構築」について、広帯域外乱オブザーバを用いた力覚制御系の計算機シミュレーションまでは完了しその有効性も確認できているものの、香川高専が保有している水平3軸ロボットアームを用いた実機実験の実施には至っていない。提案制御系の実機実装については現在実施中となっており、計画に対してはやや遅れているものの、実機実装が順調に進んでいることもありその計画に対する影響度は小さいと評価している。 令和3年度の実施内容のうち(2)「垂直多関節ロボットアームの実機作成」について、当初は香川高専が保有する実機を改造する計画となっていたが、新規実験装置の立ち上げ中は改造ベースとなる3軸産業用ロボットを使用できなくなるため、市販品を購入し必要に応じて改造する方法を採用することとした。具体的には、垂直多関節ロボットアームの市販品を購入し、研究代表者が標準的に使用しているリアルタイム制御システム下で運用する方策を採ることとした。この方策は現在も進行中であるが、導入した垂直多関節ロボットアームの製造元に確認した結果、仕様上は問題なく改造できることが分かっている。回路部の改造と通信ソフトウェア部の開発が必要になるが、回路面の改造はほぼ完了しており、現在は通信ソフトウェア部の開発に注力している。当初の計画では、令和3年度は垂直多関節ロボットの実験装置の設計に留まることとなっていたが、新たな方策の採用により垂直多関節ロボットの立ち上げが部分的には終了していることから、この実施内容に関しては計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の実施内容としては、(1)「広帯域外乱オブザーバを用いた力覚制御系」を(2)「新規開発した垂直多関節ロボットアーム」に実装し、人協働ロボットシステムとして実機検証を行うことを計画している。令和3年度の計画について、全体的には概ね予定通り予定通り遂行できているものの、個別の実施内容レベルでは一部遅れが生じていることから(前記実施内容(1))、令和4年度はその実施内容について重点的にフォローしていく必要がある。具体的には、計画よりも先行している実施内容(前記実施内容(2))についてはいったん遂行を保留することにより、計画よりやや遅れている実施内容にリソースを割くことが可能であり、これによって計画全体の進行状況を調整する。 また、研究課題の達成にあたり、制御アルゴリズムおよび実験装置だけでなく、人協働ロボットシステムとして検証するためのモデルケースについても検討する必要がある。具体的には、香川県産業技術センターを通じたヒアリング等を実施し、モデルケースを絞り込んだうえで具体性のある評価を行うことを目標としている。
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Research Products
(3 results)