2020 Fiscal Year Research-status Report
フレキシブルな非周期メタ表面を利用したポスト5G携帯基地局用アレイアンテナの開発
Project/Area Number |
20K14798
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 悠人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70635820)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メタ表面 / ポスト5G / ビームフォーミング / アレイアンテナ / メタマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
第5世代無線通信(5G)では、ミリ波帯の電波を利用したビームフォーミング技術が使用される。従来のビームフォーミングの実現技術は、複雑なアンテナの構造設計が必要であったり、アンプ等の放熱を伴うアクティブ素子が使用されていたりと、機能・性能や効率の面で限界がある。本研究では新技術として極薄の非周期メタ表面とアレイアンテナを組み合わせた構成を提案し、5Gやポスト5Gなどで必要とされるビームフォーミングを実現する。さらには、基地局用アンテナの誘電体カバー(レドーム)の湾曲面にメタ表面を取る付けた構成を想定し、フレキシブル基板を用いた曲がったメタ表面で所望のビームフォーミングを実現するための理論構築や実証を進める。 2020年度は、フラットなメタ表面によるアレイアンテナのビーム制御について、メタ表面の試作や評価を行い、メタ表面によるアレイアンテナの開口面効率の増大を実証した。具体的には、Xバンドレーダー用のアレイアンテナの開口面に取り付ける想定で、開口面の位相分布を均一にするように大面積のメタ表面を設計し、メタ表面により、アレイアンテナの透過利得が3 dB増大することを実験的に確認した。これにより、メタ表面とアレイアンテナの組み合わせという提案構成の実現可能性を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度はフラットなメタ表面によるアレイアンテナのビーム制御についての設計や実験を実施し、メタ表面とアレイアンテナの組み合わせという提案構成の実現可能性を確認した。2021年度に検討するフレキシブルなメタ表面とアレイアンテナによる構成に拡張するうえで、前提となる基礎検討を終えることができたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年に得られたフラットなメタ表面に対する設計手法を拡張することで、2021年度にはフレキシブルなメタ表面に対する設計手法を構築する。具体的には、ユニットセルのインピーダンスについて、金属パターンの構造と入射角度を変えながら計算したデータベースを構築し、そのデータベースを利用することで、透過電磁波に対する所望の波面制御を行うフレキシブルなメタ表面を設計する。メタ表面の曲げ方による動作制御についても実証を目指す。次年度も本研究課題の研究成果について、学会などでの積極的な外部発表を継続する。
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Causes of Carryover |
前年度は提案するシステムの原理実証をマイクロ波帯のXバンドで実施したため、評価設備の構築にかかる費用を安価に抑えられた。次年度使用額は、ミリ波帯でのメタアンテナ評価に関する設備・部材の購入とフレキシブルなメタ表面の試作費、さらには本研究の成果発表のための論文投稿費や学会参加費に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)