2020 Fiscal Year Research-status Report
深層学習を活用した低廉迅速かつ大量高頻度なデータ蓄積による道路損傷箇所の将来予測
Project/Area Number |
20K14799
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 紘弥 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (90853200)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 道路損傷検知 / 深層学習 / データセット |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に実施することを予定していた「道路損傷検出モデルの高度化・高精度化」について、敵対的生成モデルを用いて擬似的に道路損傷画像を生成し、損傷のない道路画像に埋め込むことで、損傷を含む教師画像を擬似的に生成する手法を開発した。本手法により最も重要な道路路面損傷の一つであるポットホールの検出精度を3%向上できることを示し、申請者が筆頭著者となりこの成果を報告した論文は土木情報学のトップジャーナルであるCACAIEに採択された。一般に、ポットホールなどの事故につながる重大な損傷箇所は発見されるとすぐに修繕されてしまうため、機械学習モデルを構築する際の教師データを大量に収集することが難しかった。本手法を用いて擬似的に損傷画像を生成できることは、少量の教師画像を用いて機械学習モデルを構築することにつながるため、非常に意義がある。
また、これまでに申請者らが公開していた世界初の大規模道路損傷データセットを更新する形で、新たに収集した損傷画像に関するデータセットを公開した。さらに、日本、インド、チェコの 3 カ国でグローバルなデータセット 26,620 枚を構築し、他国のデータと合わせてモデルを学習することで汎化性能が向上することを示した。データ数の増加とアノテーションの見直しによりそれぞれの損傷カテゴリにおいて検出精度が向上した。
さらに、画像データのみならず、車載スマートフォンの加速度センサーのデータを収集できるようなソフトウェアを開発し、複数の自治体においてデータの新規収集を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度に実施することを予定していた「道路損傷検出モデルの高度化・高精度化」については概ね順調に進捗している。当初は、画像処理と加速度センサー等の情報を組み合わせることで、損傷検知精度の高精度化を目指すことを想定していたが、2020年度は主に画像処理のみを用いた損傷検出手法について進展があった。申請者が筆頭著者となりこの成果を報告した論文は土木情報学のトップジャーナルであるCACAIEに採択された。一方で、画像処理と加速度センサー等の情報を組み合わせる手法については、手法構築のためのデータ収集ソフトウェアの開発を行い、複数自治体で新規データ収集を開始済みであり、研究開発を行っているが、現在までに論文採択には至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度に想定していた「道路損傷検出モデルの高度化・高精度化」については概ね順調に進捗したため、2021年度以降も当初計画に沿って研究を推進していく。具体的には、2021年度には複数回の走行により、損傷検出モデルが検出した損傷候補について、実際にその損傷が存在するか否かを確率的に判定する、Feature Existing Modelの構築を目指す。
|