2022 Fiscal Year Annual Research Report
中性化したセメント系材料が高温および水の作用を受けた場合の微視的性状
Project/Area Number |
20K14804
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
高橋 駿人 東京理科大学, 理工学部土木工学科, 助教 (30861786)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | セメント系材料 / 複合劣化 / 中性化 / 高温 / 溶脱 |
Outline of Annual Research Achievements |
構造物に用いられるセメント系材料は,供用機間中に中性化するが,その影響を考慮して変質メカニズムを明らかにした例は見当たらない.そこで本研究は,セメント系材料の中性化の有無が,水の作用による変質メカニズムに与える影響を内部構造分析の観点から評価することを目的としている. 昨年度は,普通ポルトランドセメント(OPC)および高炉スラグ微粉末で50,70,80%の割合で置換したコンクリートを作製し,中性化の有無がコンクリートの水分浸透速度係数に与える影響について実験的に検討した.CO2濃度10%下で促進中性化を実施し,JSCE-G 582-2018を参考に,温度20%の恒温恒湿槽にて相対湿度40%および60%の環境下で,配合毎に供試体が,前日との質量差が0.1%以内になるまで静置した.取り出した供試体は,浸透面(打設底面側)と上面(打設面側)を除く全面をエポキシ樹脂でシールし,再度,恒温恒湿槽にて質量が一定となるまで乾燥させた.事前乾燥終了後に,水を張った容器と供試体との間はスペーサーを設置し,供試体と容器底面との距離が5mm以上となるように供試体を設置した.水面との高さは水分供給面から5mm程度保つように,適宜水面が低下した分の水を供給した.試験開始から5,24,48,72,96時間経過時に,供試体を浸透面に対して垂直な方向に割裂して,水分浸透深さと質量変化率を測定した. その結果,質量変化率による水分浸透速度係数を用いて比較したところ,中性化することで質量変化率による水分浸透速度係数は,OPCの場合は低下するが,高炉スラグ微粉末で置換した場合は,置換率の増加に伴い質量変化率による水分浸透速度係数は増大する傾向が得られた.
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