2021 Fiscal Year Research-status Report
床版の劣化を考慮した橋面アスファルト舗装の疲労損傷機構に関する研究
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20K14806
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
前島 拓 日本大学, 工学部, 助教 (20845630)
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2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | アスファルト舗装 / 道路橋鉄筋コンクリート床版 / 砂利化 / 疲労抵抗性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年，道路橋鉄筋コンクリート床版において，床版コンクリートの砂利化による劣化事例が多く報告されている。砂利化のように床版コンクリートが脆弱化する場合，直上のアスファルト舗装に交通作用が加わることでコンクリートの劣化が促進され，支持力低下に伴いアスファルト舗装が早期破壊に至ることが懸念される。本研究は，研究事例が極めて少ないといえるコンクリート床版とアスファルト舗装の相互依存性について実験的に検討するものである。昨年度は，砂利化を模擬したコンクリート版上にアスファルト混合物を敷設した供試体を作製し，水浸ホイールトラッキング試験により，床版の砂利化がアスファルト舗装の疲労抵抗性に及ぼす影響を検討した。その結果，高含水状態での輪荷重走行により砂利化部の細粒分が流動し，これに伴う支持力の低下によってアスファルト舗装の疲労抵抗性が低下することを明らかとしてきた。本年度は，ホイールトラッキング試験装置を用いた疲労試験により，砂利化の進行度が床版コンクリートの支持力低下に及ぼす影響を評価するとともに，コンクリート版の水浸の有無をパラメータとしたホイールトラッキング試験により，砂利化部の含水状態が橋面アスファルト舗装の疲労抵抗性に及ぼす影響を実験的に検討した。その結果，床版コンクリートの砂利化進行に伴い床版の支持力が低下し，これによりアスファルト舗装の疲労抵抗性が著しく低下することが明らかとなった．特に，床版上面に水が介在する場合は，骨材の流動が促進され床版の支持力が低下することで，アスファルト舗装に鉛直方向のひび割れが進展し，このひび割れから細粒分と水が同時に噴出することを示した．また，この土砂の噴出現象により床版の支持力低下が更に促進されることで，アスファルト舗装の疲労抵抗性が著しく低下することを明らかとした．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに，アスファルト混合物の耐疲労性を評価し得る試験方法を開発するとともに，床版コンクリートの砂利化がアスファルト混合物の耐疲労性に及ぼす影響を検討した。その結果、申請時に想定した通り，床版コンクリート上層部の脆弱化と水の影響により，アスファルト舗装が著しく早期破壊する現象を実験で捉えることができた。今後は、ハンブルグホイールトラッキング試験装置を用いた試験によりポットホール等の損傷機構解明に資するデータを蓄積するとともに，アスファルト舗装の疲労損傷過程における弾性波速度を計測し，アスファルト舗装上からの劣化度評価指標の確立を目指す。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は，ハンブルグホイールトラッキング試験装置を用いた疲労試験を実施することにより，アスファルト舗装のボトムアップひび割れやポットホール等の発生メカニズムについて検討を進める予定である。また，アスァルト舗装の劣化程度を評価可能な非破壊検査手法について検討を継続し，アスファルト舗装およびコンクリート床版の適切な修繕時期が判断可能な劣化度評価指標を確立する。
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| Causes of Carryover |
当初の想定よりも疲労試験が長時間に及んだため供試体作製数が少なく，これに関わる消耗品予算の執行が少なくなったことによる。今年度は，新たにハンブルグホイールトラッキング試験装置を用いるため，試験に必要な供試体作製用の材料および型枠に予算を使う予定である。
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