2020 Fiscal Year Research-status Report
水理模型実験に用いる地盤材料の相似性と破壊モードへの影響分析による実験手法の革新
Project/Area Number |
20K14824
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松田 達也 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (50736353)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 浸透破壊 / 地盤材料 / 相似則 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、流体-地盤連成問題に関する重力場の水理模型実験を対象に、(1)流体-地盤連成問題に関するシンプルな事象を対象とした各種模型実験(重力場大型・小型、遠心力場)を実施し、取り扱う地盤材料による現象の違いについて分析する;(2)(1)の実験データをベースに、地盤材料の取扱いに関する相似則について取りまとめる。特に、考慮すべき相似性と緩和が可能な相似性およびその程度について、判断方法および指標を提案することである。本研究では、地盤工学分野において基礎的な問題である「矢板周りの浸透破壊」現象を対象に、重力場の水理模型実験における地盤材料の相似則について検討を進める。 初年度は当初の計画に従い、大型模型実験の準備を行ったが、準備に時間を要すると判断したため、次年度実施予定であった小型模型実験を先行して実施した。小型模型実験では、異なる地盤材料を用いて、透水力が統一となるように地盤密度を調整し実験を実施した。また、相似比を変えた実験も実施した。その結果、浸透破壊に至る前(プレ破壊)における水位差変化の傾向はスケールに依存しない傾向があることがわかったが、破壊直前の地盤の有効応力変化は材料種別により異なり、特に粒径が小さい材料においては特徴的な違いが見られた。次に、浸透破壊後(ポスト破壊)の破壊形状に着目すると、破壊の幅や深さについてスケールによる違いが見られた。これは、水理条件が相似であっても地盤材料の相似性を満たしていないため、スケールによって差が生じたものと考える。 今後は大型模型実験の実施を踏まえ、地盤材料が現象に与える影響をより詳細に分析する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画に従い、大型模型実験の準備および実施計画を進めたが、実験準備や安全性の確認等に時間を有すると判断したため、大型模型実験の準備を継続しつつ、次年度実施予定であった小型模型実験を先行して実施した。 小型模型実験では、異なる地盤材料を用いて、透水力が統一となるように地盤密度を調整し実験を実施した。また、相似比を変えた実験も実施した。その結果、浸透破壊に至る前(プレ破壊)の地盤の有効応力変化と浸透破壊後(ポスト破壊)の破壊形状において地盤材料による差異が生じることを確認した。現在、現象を詳細に考察しており、今後は大型模型実験など相似比の異なる実験結果を交えて、地盤材料が現象に与える影響をより詳細に分析する。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、大型模型実験の準備を進め、試実験および本実験を実施する。すでに先行して実施した小型模型実験の結果と大型模型実験による結果を踏まえ、地盤材料による現象の違いを分析する。
|
Causes of Carryover |
大型模型実験を実施するための実験装置を製作する予定でしたが、実験準備に時間を要したため、次年度使用額が生じました。
|
Research Products
(1 results)