2023 Fiscal Year Research-status Report
マッチングの不確実性を考慮した乗り合い式ライドシェアリングサービスの便益評価手法
Project/Area Number |
20K14842
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
加藤 哲平 長岡技術科学大学, 工学研究科, 講師 (10827116)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Ride Sharing / 費用便益分析 / 不確実性 |
Outline of Annual Research Achievements |
交通混雑による経済損失と環境負荷の増大といった問題の解決に向けて,乗り合い式Ride Sharing(RS)サービスが近年注目を集めている.RSサービスは,利用者同士のマッチングを行うため,サービス利用時の移動経路(移動時間)の不確実性が存在する.こうしたサービスの特性を考慮した便益評価手法の構築に向けて,一昨年度までに便益評価に必要な需給均衡分析に関する基本的なフレームワークを構築し,国際学会における1件の成果発表,および国際ジャーナルに1件の論文掲載を行った.また,交通ネットワークの構造を明示的に考慮したRSサービスの需給均衡分析に向けた均衡配分問題の定式化などを行った. 本年度は,継続的な研究レビューとともに,公共交通機関とRSサービスの融合を念頭に,新たなRSサービスの均衡分析手法を構築した.具体的には,利用者の出発地点から交通結節点までの移動にRSサービスの利用を想定し,交通結節点までの距離に応じた利用者の分布を推定する手法を構築した.これまで構築した手法を応用することで,出発地点から交通結節点までの距離に応じた相乗り発生確率を導出し,相乗りによる心理的なコストを考慮したRSサービスの利用確率が導出可能である.ここで導出したRSサービスの利用確率から新たに相乗り発生確率が定義可能であるため,これらが均衡するような利用者分布を求める立地均衡モデルに似た手法である.これまで構築してきた手法は,あくまでRSサービスのエリア全域の利用者数を分析したものであったのに対し,利用者の空間的な分布を導 出可能であるため,より詳細なRSサービスの設計が可能になった.また,社会厚生を最大化するRSサービスの利用料金設定を分析した.この内容について,国内学会において1件の成果発表を行い,優秀ポスター賞を受賞した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル・分析手法の構築および成果発表について申請時の目標を概ね達成した.なお,新型コロナウイルスの感染拡大を受けて成果発表については若干の遅れが生じているが,2024年度中の論文投稿へ準備を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
成果発表を目的とした論文投稿を2024年度中に行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で成果発表に若干の遅れが生じている.次年度使用額は論文投稿に向けた準備(英文校正)および投稿料に充てる.
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