2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of interaction-based behavioral model using quantum computing technique
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20K14844
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浦田 淳司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (70771286)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 行動モデル / 相互作用 / 量子コンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
相互作用モデルのシミュレーションは、多体の同時選択問題であり、ローディングの数値計算を行う際に、同時選択の候補数が組み合わせ爆発する(選択肢数の意思決定者数のべき乗となる)という問題があったが、量子計算を可能とするQUBO型の定式化を行い、求解アルゴリズムを開発・実装した。量子計算機における数値計算では、意思決定者数が100の場合でもms単位での計算が可能であり、シミュレーション計算コストは限りなく縮減することに成功した。また、全列挙計算可能な規模で得た厳密解との比較を行い、提案アルゴリズムは厳密解を得ていることを確認した。ただし、意思決定者が複数選択肢をもつ場合は、定式化の煩雑化およびシミュレーションコストの増加するため、アルゴリズムの工夫の余地が残る。率先避難については、豪雨災害時の避難行動データを用いて、従来型のシミュレーション方法により、その有効性を検証した。相互作用相手の属性による影響を考慮した場合、相互作用の影響は非対称に広がり(移動弱者と健常者で相手の行動から受ける影響が異なるため)、健常者の率先避難によって移動弱者の避難が促進されることをシミュレーション評価した。分析を行った豪雨災害避難のケースでは、健常者の率先避難の避難促進の影響は、移動弱者の率先避難の影響よりも大きいことがわかった。以上の研究により、量子計算アルゴリズムの相互作用シミュレーションへの導入は、相互作用が意思決定に強く働く、避難行動などの場面で有効であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)