2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of an evaluation method of integrated safety technologies for protecting vulnerable road user based on actual accident data analysis
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20K14847
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
伊藤 大輔 関西大学, 社会安全学部, 准教授 (90432244)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 衝突安全 / 歩行者 / 自転車乗員 / 人体傷害 / 被害軽減 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は交通事故時の傷害評価,特に胸部の評価を中心に分析を実施していた.対象とする歩行者,自転車乗員の場合,自動車乗員とは異なり衝撃を受ける方向が単純ではなく,また,様々な向きから負荷を受けるため,それらを考慮した胸郭変形評価指標について人体有限要素モデルを用いた解析によって検討した.小柄女性歩行者とセダン型車両との衝突を再現した衝突シミュレーションを実施し,様々な向きで衝突させた際の挙動や胸郭変形について分析をおこなった.胸郭内のゆがみを定量化した指標を検討した結果,特にひずみが生じやすい上位肋骨の塑性ひずみとは一定の相関が確認された.また,歩行者と車体との衝突時に肋骨を下から突き上げるような挙動が生じることが確認され,今後これを考慮した指標に発展させていく必要があることが確認された. また,歩行者および自転車乗員の対四輪車衝突における頭部傷害に関する交通事故データの分析を実施した.交通事故総合分析センターが保有する交通事故例調査データ(ミクロデータ)を用いて歩行者・自転車乗員の頭部外傷の種類や重傷度と衝突条件との関係を分析した結果,衝突速度が高い場合には歩行者保護性能が高いとされるウインドシールドとの衝突であってもAIS3以上の重傷脳傷害が発生し得ることが確認された.また,歩行者,自転車乗員のいずれの場合においても,加害部位と発生する傷害の内容との間に関係性は認められなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナにより交通事故総合分析センターにて実施する予定であった交通事故分析が十分に進めることができていなかったが,コロナが収まっていた3月に集中的に実施し,年度内にはデータ分析を完了し,現在論文投稿を準備するところまでは挽回した.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は歩行者に加え,自転車乗員についても衝突解析を実施し,全身の傷害指標値から受傷リスクを算出,さらにそれを事故発生頻度によって重みづけし,対策の有無でのリスクの変化を分析する.
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Research Products
(1 results)