2020 Fiscal Year Research-status Report
AIを活用した供用性の高い屋内電子地図データの生成と位置測位システムの開発
Project/Area Number |
20K14854
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
塚田 義典 摂南大学, 経営学部, 准教授 (50622643)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 屋内地図生成 / 点群データ / SLAM / 構造化 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、レーザスキャナとステレオカメラを用いて取得したセンシングデータから大学構内の点群データを生成する技術を試作した(実施項目A)。そして、国土地理院の階層別屋内地理空間情報データ仕様書案と国土交通省の屋内地図/屋内測位環境構築ガイドライン案を精読し、屋内地図の生成に必要となる点群データの構造化手法を考案した(実施項目B)。 実施項目Aでは、レーザスキャナにVelodyne社のVLP16-HiRes、ステレオカメラにStereolab社のZED2を使用した。これらの機器を接続したノートパソコンを台車に固定設置し、LIDAR SLAMとVisual SLAMにより大学キャンパスの廊下(直進延長約50メートル)の点群データを生成した。そして、点群データより算出した2点間距離を実測値と比較したところ、機械精度の誤差範囲内に収まった。以上より、SLAMを用いて屋内環境の点群データを良好な精度で生成できることを確認した。 実施項目Bでは、3次元点群データから仕様に準拠した2次元地図データへの変換アルゴリズムを検討した。本アルゴリズムは、点群データからの床面・天井・壁面の推定処理、次元圧縮処理、エッジ抽出処理で構成される。この内、点群データからの床面・天井・壁面の推定処理では、AI(ディープラーニング)の適用を試みる。実際に、オープンデータセットを用いて構築したAIモデルを実施項目Aで生成した点群データに適用したところ、適切に地物を識別できることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画における令和2年度の実施項目は、レーザスキャナとカメラを搭載した計測ユニットを作成と屋内地図データの生成技術の2つである。大学構内での実証実験より、屋内環境の点群データが生成できたことから、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、実証実験より生成した点群データから屋内地図データへの変換アルゴリズムを考案し、手動によりその実現可能性を明らかにする。そして、作成した屋内地図データとスマートフォンのカメラ画像から生成した点群データを重畳する技術を開発する。これにより、屋内位置測位の実現可能性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、当初購入予定であったレーザスキャナ製品はオーバースペックと判断し、仕様を見直したことが挙げられる。これは、本研究を進める上で必要最低限の製品のみ購入し、開発が本格化する次年度以降に時宜を得た開発環境を整えた方が効率的な予算執行と研究の推進が可能と判断したためである。また、コロナ禍による緊急事態宣言等の影響により、本研究で予定していた対面による全体打合せや個別打合せをWeb会議システムで代替したことが挙げられる。次年度使用額を含めた次年度助成金は、主に開発環境の充足と開発支援の人件費に充当する予定である。
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