2020 Fiscal Year Research-status Report
Drift Capacity Evaluation for Reinforced Concrete Columns Deteriorated by Corrosion of Reinforcements
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20K14867
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松川 和人 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (50709186)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 鉄筋腐食 / 限界変形 / 伸び / 降伏強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,鉄筋腐食した鉄筋コンクリート部材の変形能力を評価するマクロモデルの開発を行うものである。2020年度は,本研究の対象である鉄筋コンクリート部材の変形能力を支配する腐食鉄筋の「降伏強度」「伸び」を鉄筋長さ方向断面積分布の特徴量と関連付け,腐食によるこれら「降伏強度」「伸び」の低下を説明できるパラメータを分析した。このため,13mm径の鉄筋を複数腐食させ,3Dスキャンと引張試験を行った。鉄筋腐食は,鉄筋を3%NaCl水溶液に浸漬し,鉄筋を陽極側,鉄パイプを陰極側に接続し,1Aの直流定電流を通電することで行った。この結果得られた腐食鉄筋を3Dスキャンし,スキャンデータから自作したコンピュータプログラムで断面積分布を把握した。当該の鉄筋を引張試験し,降伏強度と伸びを計測し,分析した。その結果,降伏強度は腐食鉄筋の最小断面積でその低下を説明できることが分かった。伸びについては,降伏強度と同様,最小断面積の低下とともに減少する傾向が見られたが,ばらつきは大きく,支配要因の特定には至っていないため,2021年度以降も継続的に検討を進める予定である。 上記に加えて,部材実験の実験計画も進めている。部材実験のスケールは,3Dスキャンの精度や容量(径の小さい鉄筋を用いるとスキャンの精度は相対的に落ちる一方,径の大きい鉄筋を用いると,スキャンできる物理的な長さが限られているため,1本の鉄筋を多数分割してスキャンする必要がでてくる)と密接に関係しているため,その検討のために当初の計画よりも時間を要している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた部材実験が完了しなかったため,「やや遅れている」と判断した。特に,部材実験の計画において,試験体スケールを決定するポイントでボトルネックを生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
「やや遅れている」と判断したが,研究計画を変更するほどのことではなく,今後の効率的な研究実施により遅れを解消する。
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Causes of Carryover |
予定していた部材実験が完了しなかったため,主として試験体製作費として計画していた予算を次年度使用額とした。試験体の製作を2021年度中に実施することで,執行する。
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