2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K14873
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
國枝 陽一郎 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (30795943)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 外壁劣化 / 劣化推定 / 雨水挙動 / 粒子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度目標として設定した「美観」劣化推定における「4次元雨水挙動推定モデルの開発」として、建物外壁における汚染性状および物理特性の把握及び粒子法解析による推定手法の提案を行った。具体的には壁面の実地調査を行い、3種類の性状把握を行った。まず第一に汚染度の定量的把握として、壁面画像を画像編集ツール(PhotoShop)を用いて2値化し、壁面水平面における汚染量の定量化を行った。次に鉛直面の表面性状の把握として、①接触角計を用いてぬれ性を、②3Dスキャナを用いて不陸についてを±0.1mm精度で計測を行い、点群データ化を行った。最後に雨水挙動の把握として、流量計を用いて複数箇所での雨水流量分布を計測した。これらを元に水平面汚染物の鉛直面への流出挙動の推定を可能とすると共に、3Dスキャナで得られたデータを3DCADデータに落とし込み、粒子解析ツールParticleWorlsに取込み解析することで、雨水挙動の可視化や理論的な物理量推定が可能となった。ただし解析における計算負荷が膨大で解析時間が収束しなかったため、高性能解析PCの購入の為予定より3か月程度遅延が発生した。 また「力学特性」劣化推定においては「力学特性劣化リスク推定モデルの開発」として、建物モデルに外的要因を入力した際の劣化挙動について解析するとして、既存研究で行った熱的解析および構造解析についての使用ツールの選定を行い、今年度実施を予定する補修負荷推定モデルへの統合の準備を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のように粒子解析ツールParticleWorlsでの解析における計算負荷が膨大で解析時間が収束しなかったため、高性能解析PCの購入の為予定より3か月程度遅延が発生した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って今年度は、③「補修負荷推定モデルの開発」、④「補修リスク推定手法の提案」を目指して研究を継続する。なお最も重要な点は、建物外装材の複合的劣化リスクの推定の部分であるため、それを主眼とした上で最終目標である④に到達出来れば、経済負荷推定の要素の強い③部分は収縮しても構わないと考える。
|
Causes of Carryover |
①物品費として購入見込みであった解析用PCおよび解析ツールについて、別予算での購入により不要になったこと、②コロナ禍において実地調査の規模縮小および大学内での実施となったため関連費用が不要となった。これらは物理的な劣化性状ツールの購入や解析結果を統合した補修リスクツールの開発にて、コード記述部分の外部委託等で使用することを計画している。
|