2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on defect detection method by acoustic irradiation induced vibration from UAV equipped with sound source
Project/Area Number |
20K14877
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
上地 樹 桐蔭横浜大学, 工学研究科, 研究員 (30766861)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非破壊検査 / UAV / 音響照射加振 / 欠陥探査 / 非接触音響探査法 / 外壁タイル / 実構造物 / 欠陥 |
Outline of Annual Research Achievements |
屋外実験としては、R2(2020)年度に新型コロナウイルスにより延期となっていた藤沢土木事務所汐見台庁舎を対象に計測が行われた。この建造物は外壁タイルが施工されており、現在も使用されている実構造物である。打音点検との比較実験の結果から、外壁タイル内部の欠陥を検出可能であることを確認した。なお、この実験場所については、神奈川県の未来創生課の協力を得て提供して頂いたものである。 また、この実験では、UAVに搭載されたレーザ距離計を利用して、計測対象面とUAVの距離をリアルタイムに確認可能な状態で行われたが、後に送信される距離データに時間遅延が発生していることが確認された。これは、送受信にBluetoothを用いていることが原因であるが、信号処理時の取り扱いについては、今後検討していく予定である。 さらに、外壁タイルが施工されたマンションにおいても探査実験が実施された。対象は神奈川県鎌倉市にある9階建のマンションである。この実験は、(株)神奈川建物リサーチ・センター(通称:KRC)の協力のもと、住人がいる昼間に行われた。この建物については、計測日の段階で打音点検が実施されていなかったが、赤外線による検査が行われていたため、その部分を含めて非接触音響探査法の適用可能な範囲でいくつか選定し計測を行った。非接触音響探査法により計測した範囲では大きな欠陥は無く、ほぼ健全な状態であることが確認されたが、外壁タイルの打ち継ぎ目の一部に欠陥部らしき反応が確認された。反応が確認されたマンション東面は、日中日陰となる箇所であったため、温度変化が少なく、赤外線カメラでは同じ場所で類似する結果は確認されず、提案手法の有効性を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R3(2021)年度は、R2(2020)年度に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により実施できなかった藤沢土木事務所汐見台庁舎における実験を行った。この実験は神奈川県の未来創生課の協力を得て行われている。打音結果との比較した実験結果から、外壁タイル内部欠陥を検出可能であることを確認した。 さらに、(株)神奈川建物リサーチ・センター(通称:KRC)の協力のもと、居住者のいるマンションを対象に計測も行っており、実構造物に対する計測データの積み重ねも行っている。 また、UAV飛行時にレーザ距離計からの信号取り込みを行い、対象物までの距離データを得ることができたが、実際の時間に比べて移動開始時間に遅延が発生していることが分かった。さらにその遅延時間にもばらつきが存在していることが判明しており、信号処理時の取り扱いについて、今後の検討が必要であると考えている。 UAVに搭載されている音源に関しては、今後も平面スピーカを使用していく予定であるが、スピーカ後部に装着されているカバーにより放射音波に歪が発生していることが判明した。そのため、音源の搭載方法に関しても改良を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、UAVに搭載されているレーザ距離計から取り込んだ距離データにおける遅延発生の対策および、平面スピーカ背面カバーによる放射音波の歪の影響の検証を中心に、実験を重ねていく予定である。計測対象としては、既存の外壁タイル供試体および実構造物が挙げられる。 また、昨年度は、(株)神奈川建物リサーチ・センター(通称:KRC)の協力を得て、居住者のいる実際のマンションを対象に計測をすることが出来た。そのため、今年度も計測可能な物件があれば、協力を得て計測実験を実施する予定である。 なお、2022年に至っても今後の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が不透明であるため、状況によっては屋外でのUAV実験は行わずに制限はあるが屋内での検証を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
R2(2020)年度に引き続いて昨年度も、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が収まらず、度々緊急事態宣言が発令されたため、旅費を伴う学外実験および学会発表を行うことが困難な状況であった。そのため、使用予定であった費用支出額が減少し、次年度への繰り越しが発生する形となった。 しかしながら、緊急事態宣言が解除されたタイミングで、R2(2020)年度に予定していた検証実験を実施することが出来た。そのため、R4(2022)年度はウイルスの感染状況を確認しつつ、検証実験を重ねると同時に学会発表も順次実施していく予定である。
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