2022 Fiscal Year Research-status Report
Construction of a Comfortable Visual Environment in a Rest Space using Biophilic Design Images Considering Psychology and Physiology
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20K14887
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
兪 ハニ 東京電機大学, 未来科学部, 助教 (40796108)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バイオフィリックデザイン / 自席休憩 / リラックス / リフレッシュ / パーティション / 植物 / VR / 心理評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、知的生産性の向上や健康の維持のために適度な休憩が推奨されており、休息効果を高める環境の研究が進んでいる。一方、従業員規模が29人以下の小規模オフィスのうち、50.1%が休憩室を設置していないので、自席休憩せざるを得ないのが現状である。しかし、自席休憩に焦点を当てた研究は少ない。本研究では、小規模オフィスの自席において、リラックスとリフレッシュそれぞれに対し適切な視環境要素を把握することを目的とし、VRを使用した被検者実験を行った。その結果、以下の知見が得られた。リラックス、リフレッシュおよび総合満足度は、植物の有無で有意差が認められ、植物があると評価が高くなる。リラックスは植物がある状態かつ、パーティションは高めが求められ、リフレッシュも植物がある状態かつ、パーティションはやや高めが求められる。総合満足度は植物がある状態かつ、中程度のパーティションが求められ、モチベーションが評価に影響している可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響により、長時間密閉された空間で密接な接触が必要な身体生理学的測定(脳波測定など)の実験は、研究計画書に記載されていたにもかかわらず実施でなかった。また、実空間実験では空間の条件を変更するのに時間がかかるため、比較的容易に測定できるVR(ヘッドマウントディスプレイ)を用いて実験を行った。中規模以下のオフィスでは、別途休憩スペースが設けられていないことが多いため、自席休憩時のバイオフィリックデザインの影響を検証した。バイオフィリックデザインの有無、パーティション(なし、低い、中、高い)、照明の明るさを提示し、被験者を対象とした心理量を中心とした実験を行った。その結果、自席休憩時にリラックスしてリフレッシュできる環境の特徴を確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、令和4年度の研究結果に基づき、自然要素(炎、水など)、照明の色温度、明るさ、行動、距離感を考慮した実験を夏と冬に実施し、自然要素の季節感への影響を調査する。また、実際の自然要素を設置し、照明の明るさや色温度を変えながら実験を行うと、時間と費用がかかるため、VR機器(HMD)を用いた3D空間で実験を行う。また、感染症や被験者の安全対策にも配慮し、柔軟に調査や実験を行う。
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Causes of Carryover |
コロナにより、活発な実験室実験が難しい状況であったので、実験に必要な機器を購入することが出来なかった。今年は、コロナの状況によるが、VR実験及び、できれば実験室実験を行う予定であるため、令和4年度に計画した物品(実験機器)を購入する予定である。 また、コロナで海外学会の発表会(シンポジウム、コンファレンスなど)に参加出来なかったが、令和5年度9月にはCIE(国際照明委員会)に参加し、研究論文を発表する予定である。また、休憩空間に相応しいバイオフィリックデザイン画像や動画を撮るために、海外で有名な自然風景を撮影する予定である。
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