2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a practical measurement method for heavy impact sound insulation performance in preparation for the spread of middle and high rise wooden buildings
Project/Area Number |
20K14891
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
平川 侑 国立研究開発法人建築研究所, 環境研究グループ, 研究員 (70848978)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 床衝撃音 / 空間分布 / 重量床衝撃音 / 測定の不確かさ / 数値解析シミュレーション / 建築音響 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は①共振現象による空間誤差を測定位置により最小化し、共振現象による測定値の空間誤差を改善すること、②少ない計測点数で重量床衝撃音の室内平均を高精度で推定する手法を確立する事の2点を目的としている。 令和2年度に実施した重量床衝撃音の測定値の共振による影響の分析の実験的検討に対し、令和3年度はこれの追加実験として壁面近傍及び室の隅を対象とした測定を実施した(総測定点数は693点)。壁面近傍378点で測定した結果と、室の全点(693点)で測定した結果から、シミュレーションと実際の測定結果の対比が可能であることがわかった。また、建築研究所にあるCLT実験棟の受音室内の空間音圧分布の測定結果を入手することができた。 室の全点平均(693点)、室の中央部分(315点)、室の壁・床・天井近傍(378点)の周波数帯域別の時間重み特性Fの音圧レベルのエネルギー平均の値と標準偏差では、モードの存在しない16 Hz帯域、拡散場に近づく500 Hz帯域では標準偏差が小さくなっていることがわかった。モードの影響が特に大きいと考えられる31.5 Hz帯域や63 Hz帯域では、室の中央部分において標準偏差が5.47 dB, 3.34 dBであった。300点以上で測定しても標準偏差は小さくならなかった。また、室の中央部分の結果のみに着目すると、中央点と対角点の加振点における室内音圧レベルの差は周波数に依存せず±1 dB程度であった。31.5 Hz帯域や63 Hz帯域では、軸方向のモードによる影響があるため、JISに規定されている測定対象となり得る受音点では、10 dB以上の差が示されていた。最大値と最小値の差が大きい室内で、補正なしで測定できるということは、規格に則った受音点の選び方によって良い値も悪い値も自在に測定ができる可能性がシミュレーションだけではなく、実験的にも示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
建築研究所にあるCLT実験棟の受音室(5000mm ×4000mm ×3000mm)の空間音圧分布の測定結果が入手できたため、実施目標は達成されていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究内容に掲げたように、6階建てツーバイフォー実験棟等の他の実験棟において床衝撃音レベルの空間分布の測定を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
空間分布の測定やシミュレーションソフトウェアの購入は高額となるため、次年度に繰り越し次年度にいずれかを実施できる体制とした。
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