2021 Fiscal Year Annual Research Report
Active control of thermal and light environment by metal oxide microstructures
Project/Area Number |
20K14893
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
磯田 和貴 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部マテリアル応用技術部材料技術グループ, 副主任研究員 (80633031)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 酸化タングステン / 酸化バナジウム / 微細周期構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度取組んだ酸化タングステンと異なり、本年度は酸化バナジウム薄膜の獲得を目指し、ドライプロセスおよびウェットプロセスによる成膜を試みた。ドライプロセスにおいてはアルゴン単体およびアルゴン酸素混合ガスを用いたスパッタリングでバナジウム薄膜を成膜した。ウェットプロセスでは過酸化水素水と反応させたバナジウム酸化物を基板に塗布した。バナジウム酸化物はその酸化数に応じ複数の形態をとることから、成膜後のアニールとして空気中および真空中での加熱を行い、ラマン分光測定によりバナジウム酸化物の形態を分析した。ラマン分析の結果から、ドライプロセスによるバナジウム薄膜は室温での加熱後にバナジウム五酸化物(V2O5)の形態を示し、このバナジウム五酸化物を再度真空中で加熱することでバナジウム2酸化物(VO2)のラマン分析結果を示すことが明らかになった。また、ウェットプロセスによるバナジウム薄膜では塗布後に真空中で加熱することで、同じくバナジウム二酸化物が得られた。ドライプロセスで得られたバナジウム酸化物では室温付近の転移を示さなかったが、ウェットプロセスの場合は室温での相転移を示す単斜晶系のバナジウム酸化物を示すラマン分光結果となった。ウェットプロセスの成膜では用いたバナジウム微粒子の粒径の問題から微細周期構造の形成に適した均一な薄膜が現状得られていないものの、今後成膜条件等を最適化し、微細周期構造形成に向けたリソグラフィ・加工の可能な薄膜の形成をめざす。
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