2023 Fiscal Year Research-status Report
地域外主体の受入れと施策連携による廃校活用計画論の構築に関する研究
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20K14897
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
石山 千代 國學院大學, 観光まちづくり学部, 准教授 (30847984)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 弾力的な運営方法の見直し / 非常時への備え / 地域住民にとって近寄り難い場所になってはいないか / 重要伝統的建造物群保存地区内の学校跡地 / 新たな建築構法と機能配置の模索 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は以下3つを実施した。 ・前年度に抽出した持続的事例群の中長期的なプロセス分析と比較分析を進めたことによって、統廃合決定段階からの実質的な議論・手続きの開始、暫定活用の導入、プロポーザルの活用、設計要件の設定と見直し、増築等による中間的な領域の創出、非常時への備え、テナント募集時の条件設定、各段階での地域住民と多様な部署の巻込み、社会環境及び対象施設の利用・経営状況等を踏まえた弾力的な運営方法の見直しが本研究が定めた4つの視点のバランス調整において重要であることが明らかとなった。 ・研究始動期に計画段階であった事業者登録制度によるプロポーザル案件のうち竣工・開業した複数の案件を対象として、最終プランおよび実際の利用状況などを確認し、分析を行った。特に、地域外主体が事業主体となり高価格帯の宿泊客を受け入れる機能を導入した場合、地域活動のためのスペースは確保されても、実質的には地域住民にとって近寄り難い場所となっているケースもあることが明らかになりつつある。 ・現状変更行為に対して制約が大きな重要伝統的建造物群保存地区内の学校跡地を対象とした計画策定過程に関する調査を実施した。体育館や校庭は日常的な地域活動とイベントに利用されやすいものの校舎の活用は難しいこと、隣接施設の建替えなどが契機となり、新たな建築構法と機能配置の模索によって独特の景観に配慮しながら地域が求める機能を盛り込むことが可能になったことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、3つの切り口から研究を推進することができたため。 また、いずれにも関係する地域社会・地域環境・地域経済をとりまく近年の状況変化について書籍に纏めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
いずれも追加の現地調査を実施し、これまでの研究成果とあわせて学術論文等の執筆を行いながら考察を深め、地域外主体の受入れと施策連携による廃校活用計画論の構築を目指す。
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Causes of Carryover |
研究代表者が育休復帰直後で、出張やバイト管理が困難な状況にあり、旅費も人件費も使えなかったため。 ただし、それ以外の方法で研究は推進した。研究期間延長が認められたため、今後工夫して有効に活用していきたい。
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