2020 Fiscal Year Research-status Report
Urban Space Reallocation: A Network Design Approach
Project/Area Number |
20K14899
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
大山 雄己 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (20868343)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 都市計画 / 歩行者 / 交通計画 / ネットワークデザイン / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は街路空間再配分政策を市街地の中で最適に実施するための方策を考えるため,基本となるモデル構築および実都市データへの適用を行った. まず歩行者・自動車のマルチモーダルネットワークに基づいて,交通量の非対称な相互作用を考慮した均衡配分モデルを構築した.それによって,自動車道路の混雑だけでなく,自動車交通量の増加が歩行者に与える負の影響をモデル化できた. マルチモーダル均衡配分モデルを下敷きに,歩行者専用道路を最適な配置を決定するネットワークデザイン問題を定式化した.より具体的には道路ごとに,歩行者専用化する・しないのバイナリな設計変数を定め,その組み合わせによって最適な配置を表現する.目的関数としては,ネットワーク総所要時間の他,環境効果(二酸化炭素排出量),快適性・安全性(歩行者の一般化費用)を組み合わせたものを定義した.膨大な組み合わせ数を考慮するため,遺伝的アルゴリズムを解法として用いた. この枠組みを,観光主要街路における歩行者・自動車の錯綜が以前より問題視されている埼玉県川越市の中心市街地ネットワークへ適用した.結果として,観光の主要街路を含む複数の道路が歩行者空間化された.さらにこれらの街路の歩行者空間化が,むしろ対象ネットワークにおける自動車の所要時間を削減させることも明らかとなった.この結果は,街路空間再配分を導入すべき街路を適切に選定することによって,渋滞を悪化させることなく歩行者にとって快適な空間が都市に創出されうる可能性を示唆している. 次年度は,交通量配分モデルの発展(パラメータの検討,確率的・動的モデルへの拡張等)およびより複雑な制約条件を持つ政策(歩行者ゾーンの創出など)の評価を目標とし,研究を継続する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,基本となるモデルの定式化・実装に加えて,実都市への適用も行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
交通量配分モデルの発展(パラメータの検討,確率的・動的モデルへの拡張等)およびより複雑な制約条件を持つ政策(歩行者ゾーンの創出など)の評価を目標とし,研究を継続する.
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響により,出張がすべてキャンセルとなり,旅費が生じなかった.そのため,次年度に繰越を行うこととした.
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