2020 Fiscal Year Research-status Report
個人/集団による自発的空間形成のメカニズムから導く居住デザイン方法の探求
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20K14904
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 裕通 京都大学, 工学研究科, 助教 (50827904)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インフォーマル居住地 / 自己組織化 / カンポン / 都市集落 / アジア / コミュニティ・アクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、海外現地研究をストップせざるを得なかった。しかしこうした状況下でも、ジャカルタのカンポンアクアリウム及び、台湾・渓州部落の建設工事は進んでおり、遠隔・オンラインによって情報収集は行った。特にジャカルタ・カンポンアクアリウムでは第3回の国際フィールドスクールをオンライン開催、コミュニティへのヒアリングも積極的に行うことができた。本年度明らかになったことで重要なことは、建設工事に伴い、敷地に残存するLIPI の遺構だけでなく、カンポンのコミュニティが自分たちで埋め立てた層が発見されたことである。その埋め立てはコミュニティで協力し計画しあって実現したものであり、一般的にイメージされる無秩序や不法占拠とは異なるコミュニティアクションである。また、台湾・渓州部落は建築家でありプランナーであった、故・延藤安弘氏が晩年に関わっており、名古屋のNPOまちの縁側育み隊から当時の研究ノートを共有いただいた。これまでの経緯を改めて補足する情報であるとともに、今年度期待される現地調査への下準備を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、海外現地研究がストップしたため、当初の計画通りには進んでいない。オンラインによるヒアリング調査は一部実施できるが、事実確認ではなく、価値づけを一緒に描く、描画対話法の実践はやはり対面が望ましく、今後の海外渡航の可否に研究の進捗自体左右されると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
海外研究が止まっている一方で、当初の研究計画では後半に予定されていた国内における「都市認識アプローチ」の実践は今年度少なくとも実施可能であり、こちらを進めることを予定している。特に申請者の所属研究機関異動に伴い、東京の墨田区・京島を対象とした描画対話法の実施を計画している。特に自己組織化の個人レベル、集団レベル、コミュニティレベルがどのように相互作用し、集住環境をつくりあげているのか、「居住のデザイン」の観点から、明らかにする。 また、ジャカルタ、台湾における現地調査も海外渡航が可能となった段階で実施できるように、準備を進める。
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Research Products
(2 results)