2023 Fiscal Year Research-status Report
個人/集団による自発的空間形成のメカニズムから導く居住デザイン方法の探求
Project/Area Number |
20K14904
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
太田 裕通 武蔵野大学, 工学部, 講師 (50827904)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 居住のデザイン / 描画対話法 / 価値づけ / 関連づけ / コモンズ / インタビュー / 内的秩序 / 空間的実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、都市・地域環境における自発的秩序の一端をなすであろう居住者の「価値づけ」の形成過程及びその構成要素の関係性を、描画対話法を用いたインタビュー調査によって明らかにし、未来の姿を描く建築・都市デザインに導く方法の探求である。本年度は国内における複数のフィールドにおいて手法を導入した調査研究とデザイン提案のスタディを行った。埼玉県所沢市では、景観まちづくりの一環としてオープンガーデン「とことこガーデン」を対象として、植物を介した住環境における居住者の価値づけ行為やコモン化の過程の一旦を明らかにした。また、昨年度に引き続き、都市空間におけるスケーターが価値づけたスポットの変遷及びスケーターコミュニティの自律的秩序をインタビューによって明らかにしている。さらに新宿ゴールデン街では、インタビュー調査から店主・客が作り出す店舗環境の内的秩序、人間関係のアクターネットワークを描き出した。また千葉県鴨川市太海浜の急傾斜高密集落である漁師町におけるフィールド調査から地形と呼応する路地環境と住まいのあり方を、集落地図とスケッチによって描いた。以上の調査・実践から、人々が内的に作り出す都市地域の価値や秩序と、デザインへの発想に関して、価値づけ(evaluating)と関連づけ(associating)という概念で整理することを導き出した。価値づけとは住経験の中での行為・選択の結果として価値を見出していく過程であり、介入者はインタビューによって共有する。一方で関連づけとは事物同士の連携や関係性を発想することである。即ち本研究において提唱する居住のデザインの方法とは、居住者による価値づけに基づく関連づけによるデザインであると言える。価値づけの過程及び構成要素の関係性、関連づけられた事物や領域など、それぞれを可視・共有化することによる継続的で集合的な建築都市デザインのアプローチの可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、居住者の価値づけと、介入者による関連づけの相互作用によるデザイン方法の一端を明らかにした。これは建築都市デザインにおける対象地の敷地調査段階や場所性を育むコンセプトメイキングへの一つの方法的な体系化であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、都市・地域との継続的な関わりの中で、集合的な価値づけ・関連づけのダイナミズムとしての建築都市デザインの実践を行う。集合的な価値づけ・関連づけの可視・共有化のためのシステム構築なども今後の課題である。
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Causes of Carryover |
延長申請をしており、すでに2024年度で執行済み。
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Research Products
(8 results)