2023 Fiscal Year Research-status Report
アフリカ都市における鉄筋コンクリート造集合住宅に係る技術の系譜
Project/Area Number |
20K14915
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
前島 彩子 明海大学, 不動産学部, 准教授 (00732885)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 鉄筋コンクリート造 / 構法史 / 集合住宅 / 区分所有法 / アフリカ都市 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1960年代に建てられたアフリカ都市の鉄筋コンクリート造集合住宅に着目し、構法、所有関係、維持管理を同時代の西欧の状況と照合し、近代技術の伝播、定着の経緯を明らかにすることである。研究対象をセネガルの公的住宅供給機関が開発したRondpoint団地とし、フランスの状況と照合するかたちで研究を進めている。 本年度に実施した研究の成果として、9月上旬にセネガルとフランスを訪問して以下の資料を得た。セネガルでは公的住宅供給機関SICAPを訪問し、アーカイブにて1960年代に建てられた鉄筋コンクリート集合住宅の図面、仕様書類を入手した。対象団地を視察し、劣化状況、経年建物の施工品質を確認した。また、セネガル国立公文書館において、区分所有法に関する文書を入手した。フランスにおいては、国立文書館 ピエールフィット=シュル=セーヌ館、建築・文化財博物館資料室を訪問し、Rondpoint団地の図面サインを拠り所としてセネガルの集合住宅建設に関わった人物の探索、鉄筋コンクリート造基準類の状況を整理した。フランス国鉄S.N.C.F.アーカイブにおいて国鉄の鉄筋コンクリート造基準類の仕様を参照した。 以上今年度は、研究開始以来感染症のために渡航できていなかったセネガル訪問により、対象建物の構法と権利関係の一次資料を得ることがかない、フランスの状況との照合作業が進展した。 収集した資料の分析成果としては、構法に関しては、図面分析した内容を2023年度日本建築学会大会で報告した。これに仕様書と劣化状況を加えた分析結果について、学術論文への投稿を準備した。また、区分所有関係については、照合作業を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
資料分析がまとまりつつあるが、論文投稿に遅れがあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
論文投稿先を定め投稿し、分析を充実させるべく資料の読み取りを深め、研究の取りまとめに集中する。
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Causes of Carryover |
感染症の影響で過年度までに実施予定の国際学会等での報告が実施できず、次年度に持ち越しとなったため。
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