2022 Fiscal Year Research-status Report
神社を介した非居住者による地域活動の展開に関する研究
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20K14918
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森田 椋也 徳島大学, 人と地域共創センター, 講師 (60801272)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神社 / 非居住者 / 崇敬者 / 地域活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に以下3つの調査研究を進めた。 1.浅草神社(東京都台東区浅草)における行事「夏詣」での奉仕活動への参与観察:令和4年7月、一般社団法人「第二のふるさと創生協会」による「全国お祭り手伝い隊」派遣事業の一環で実施された標記の奉仕活動に隊員として参加し、受け入れ主体や他の参加隊員へのヒアリングを実施した。主たる活動内容は参拝者の案内、誘導、ワークショップ実施補助であり、あわせて社殿や境内施設、由緒についての説明を宮司から受けることができるものである。参加者(崇敬者)に神社への奉仕活動の趣旨を感じてもらうという性質の強い取り組みであることが確認された。 2.天河神社(奈良県吉野郡天川村)における行事への参与観察:令和4年10月、天河神社における崇敬者の音楽家による奉納演奏、音楽家と宮司の対談会に参加した。当該神社を介した非居住者による地域活動の展開については森田ほか(2019)にて明らかにしているが、神社との関係が一旦疎遠になった遠隔の崇敬者が、再び当該神社へ関与することとなった事例として、その経緯を把握した。 3.轟神社(徳島県海部郡海陽町)とその周辺地域の視察:轟神社を含めた海部川流域での文化資源の高付加価値化の取り組みについて把握するとともに、周辺の地域社会の様相について基礎調査を進めている。またこの調査から派生し、研究代表者の所属大学の「SDGs研究推進支援事業」として、関係者らと大学との共創実践に取り組んだ。これにより、当研究におけるヒアリング調査等を円滑に進めるための社会関係を築くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
轟神社(徳島県海部郡海陽町)を対象とした事例研究のための基礎調査が進んでおり、令和5年度に本調査を実施できる見込みのため。
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Strategy for Future Research Activity |
轟神社(徳島県海部郡海陽町)を対象とした事例研究を行い、学術論文にまとめる。 具体的には、①轟神社を介した非居住者による地域活動の展開状況の把握、②轟神社を介した非居住者による地域活動の展開過程の可視化、③轟神社を介した非居住者による地域活動の促進要因の解明 の3点に取り組む。
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Causes of Carryover |
全国の対象事例に対する現地調査を行う当初の計画から、徳島県内の特徴的な事例の現地調査から得られたデータの詳細な考察をもとにした研究手法へ変更する こととなったため。 次年度使用額については、主に現地調査に伴う諸経費と研究成果の対外的発表に用いる予定である。
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