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2020 Fiscal Year Research-status Report

地方圏における戸建て住宅活用型シェアハウスの住宅セーフティネットへの導入可能性

Research Project

Project/Area Number 20K14920
Research InstitutionKyushu Sangyo University

Principal Investigator

佐藤 知子 (大庭知子)  九州産業大学, 建築都市工学部, 准教授 (90823823)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords住宅セーフティネット / 居住支援協議会 / 住宅確保要配慮者 / 空き家 / 地方圏シェアハウス
Outline of Annual Research Achievements

R2年度は、当初の予定通り【A】制度運営組織である居住支援協議会及び地方自治体の運営体制実態調査及び、【B】地方圏の戸建て住宅活用シェアハウスの運営形態調査を実行した。
調査Aでは以下を明らかにした。1)居住支援協議会を設置する100自治体のうち、賃貸住宅供給計画を策定し独自の物件登録基準を設定するのは15/43自治体と少ない。2)居住支援協議会の運営課題は、組織連携の強化による入居者支援の充実である。3)制度運営課題では登録物件の確保が指摘され、各自治体による賃貸住宅供給促進計画策定の促進及び登録基準緩和の検討が求められる。4)制度の周知も重要であるが、制度運営システムが複雑で難解な点も登録が進まない要因の一つとして指摘される。
調査Bでは、制度に登録する地方都市のシェアハウスの実態を把握するため「セーフティネット住宅情報提供システム」登録物件調査と管理運営者のアンケート調査を行い、松山市では事例調査を行った。登録シェアハウスの特徴を以下に示す。1)関東地方の登録物件数がほぼ半数であり(31/69件)、地方での登録件数は僅かである。2)戸建て住宅と賃貸アパートが同数(9/25件)で高経年物件が半数近くを占める。3)登録の主な目的は社会貢献と補助金制度の利用であり、高齢者と低額所得者を対象に展開される。4)約7割(16/25件)が内装中心に改修しており、改修費補助制度の改善が指摘されている。次いで事例調査からは、管理運営者が地元の空き家情報に精通し、地元改修業者との連携により改修費抑制が可能な条件により、個人業主でも多くの既存戸建て住宅活用型シェアハウスの管理運営が実現することを示唆した。
以上調査A及びBより、地域密着型改修業者との連携体制及び空き家情報収集システムの構築が今後の課題として指摘される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

R2年度は、調査Aの全国居住支援協議会のアンケートは完了したが、コロナ禍により自治体ヒアリングが不十分な点が指摘される。一方、調査Bのシェアハウス事例調査を前倒しで開始したため、全体的にはおおむね順調に進展していると判断する。
調査Aでは以下を明らかにした。1)居住支援協議会を設置する100自治体のうち、賃貸住宅供給計画を策定し独自の物件登録基準を設定するのは15/43自治体と少ない。2)居住支援協議会の運営課題は、組織連携の強化による入居者支援の充実である。3)制度運営課題では登録物件の確保が指摘され、各自治体による賃貸住宅供給促進計画策定の促進及び登録基準緩和の検討が求められる。4)制度の周知も重要であるが、制度運営システムが複雑で難解な点も登録が進まない要因の一つとして指摘される。
調査Bでは、制度に登録する地方都市のシェアハウスの実態を把握するため「セーフティネット住宅情報提供システム」登録物件調査と管理運営者のアンケート調査を行い、松山市では事例調査を行った。登録シェアハウスの特徴を以下に示す。1)関東地方の登録物件数がほぼ半数であり(31/69件)、地方での登録件数は僅かである。2)戸建て住宅と賃貸アパートが同数(9/25件)で高経年物件が半数近くを占める。3)登録の主な目的は社会貢献と補助金制度の利用であり、高齢者と低額所得者を対象に展開される。4)約7割(16/25件)が内装中心に改修しており、改修費補助制度の改善が指摘されている。
次いで事例調査からは、管理運営者が地元の空き家情報に精通し、地元改修業者との連携により改修費抑制が可能な条件により、個人業主でも多くの既存戸建て住宅活用型シェアハウスの管理運営が実現することを示唆した。

Strategy for Future Research Activity

R3年度は、当初の予定ではシェアハウスの事例調査としていたが、コロナ禍により調査が十分に実施できない可能性が高い。そのため、前年度に実施した居住支援協議会や住宅セーフティネット登録システムに関する現状把握調査を進展させる。具体的には、当システムに登録されている物件すべて(戸建て住宅、賃貸アパート、マンション等)の立地、築年数、構造、家賃、対象世帯等の条件をデータベース化し、得られた条件を元にパターン分類し特徴分析を行う。
また、地方圏域シェアハウスの先進的事例について可能な限り実地調査を行うこととし、建物入手経路から改修内容、管理運営手法等の建築社会システム論的観点からの一連の流れを詳細に調査・分析する。
システム登録物件の特徴分析と先進的事例の調査分析の結果をもとに、住宅セーフティネット制度における住宅確保要配慮者の住要求に適応する住宅タイプについて考察する。
最終年度であるR4年度では、既存戸建てストックを活用した住宅確保要配慮者向けシェアハウスの地方圏における展開可能性について検討する。

  • Research Products

    (6 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] Detached housing utilized as shared houses: establishment process and living style -case study in Yamaguchi Prefecture2020

    • Author(s)
      Tomoko Ohba , Mahito Nakazono , Akira Ushijima , Sachiko Mishima
    • Journal Title

      JAPAN ARCHITECTURAL REVIEW

      Volume: 3 Pages: 564-578

    • DOI

      10.1002/2475-8876.12172

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 全国農泊推進組織の組織形態及び管理運営手法 農泊の持続可能性に関する研究 その22021

    • Author(s)
      藤村稚夏, 大庭知子, 古賀元也
    • Organizer
      日本建築学会九州支部研究報告
  • [Presentation] 地方圏における住宅確保要配慮者向けシェアハウスの運営形態及び整備状況 新住宅セーフティネット制度の運営状況調査 その22021

    • Author(s)
      丸山将平, 大庭知子, 信濃康博, 嘉野広美
    • Organizer
      日本建築学会九州支部研究報告
  • [Presentation] 全国居住支援協議会の運営体制からみる新住宅セーフティネット制度運営課題 新住宅セーフティネット制度の運営状況調査 その12021

    • Author(s)
      小寺由莉, 大庭知子, 信濃康博
    • Organizer
      日本建築学会九州支部研究報告
  • [Presentation] 全国農泊推進組織の組織形態及び運営状況に関するアンケート分析 ―地域主導型農泊の持続可能性に関する研究―2020

    • Author(s)
      藤村稚夏, 大庭知子, 古賀元也
    • Organizer
      日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)
  • [Presentation] 住民主導型農泊の維持可能性に関する研究2020

    • Author(s)
      藤村稚夏, 大庭知子, 古賀元也
    • Organizer
      (公社)日本都市計画学会九州支部ポスターセッション

URL: 

Published: 2021-12-27  

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