2020 Fiscal Year Research-status Report
地域特徴の違いから見る市街地及び郊外農地の活用方法に関する研究
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20K14925
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Research Institution | Toyota Transportation Research Institute |
Principal Investigator |
坪井 志朗 公益財団法人豊田都市交通研究所, その他部局等, 研究員 (90823881)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 低未利用地 / 持続可能な都市構造 / 都市型農地の活用 / 郊外農地の活用 / 立地適正化計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は既往研究の整理、立地適正化計画策定都市の記載内容の把握、判別分析を用いた居住誘導区域の方向性別の特徴把握を行った。また、居住誘導区域策定都市に対してアンケート調査を行い、低未利用地(空き家・空き地・耕作放棄地)の対策内容及び自治体自身が行う活用方法について収集し、その特徴を把握した。以下に得られた主な知見を示す。 1.立地適正化計画を策定している都市の傾向として、中核市(施行時特例市を含む)以上の自治体では策定率60%以上、人口20万人以上では60%以上であり、自治体の規模が大きいほど策定している傾向にあることを指摘した。 2.居住誘導区域の方向性をみると、人口維持(現状人口を維持)を目標としている自治体が42%、減少抑制(現状より減少するが趨勢の将来推計より増加)が35%、増加(現状より増加)が14%、不明(人口による目標を定めていない)が9%となり、人口維持と減少抑制を目標としている自治体が多いことを明らかにした。 3.居住誘導区域の方向性を目的変数とした判別分析を行い、影響の大きい要因を分析した結果、財政力指数(地方公共団体の財政力を示す指数)が高いほど増加目標、低いほど減少抑制目標となっていることを明らかにした。 4.居住誘導区域策定都市にアンケート調査を行った結果、空き地や耕作放棄地への対策と比べ、空き家への対策を行っている自治体が多く、空家等対策計画を策定している自治体が90%、空き家バンクの活用している自治体が75%、解体や除却に対する補助・助成している自治体が68%であった。また、自治体自身が空き家を活用する事例として、交流拠点や集会所として整備している事例(10件)や、体験住宅として活用している事例(3件)が見受けられ、自治体自身による空き家活用の特徴的な事例について収集できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は既往研究の整理、立地適正化計画策定都市の記載内容の把握、判別分析を用いた居住誘導区域の方向性別の特徴把握を行った。また、居住誘導区域策定都市に対してアンケート調査を行い、低未利用地(空き家・空き地・耕作放棄地)の対策内容及び自治体自身が行う活用方法について収集しており予定通りに研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、令和2年度で整理した計画に加え、都市計画MP、中心市街地活性化基本計画、生産緑地制度等を整理し、「市街地内農地」の活用を組み込んだ計画の有無及びその傾向を把握する。その上で、「市街地内農地」を組み込んだ計画を策定している都市に対してアンケート調査を実施し、市街地全体の方向性や市街地内農地の位置づけ、保全方法、活用方法等、地方都市における市街地内農地の保全・活用の傾向について把握する。その結果や自治体の特徴等を基に重回帰分析(もしくは数量化一類分析)を行い、市街地内農地の保全意向の高い、もしくは開発意向の高い地域の特徴を分析する。
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Remarks |
2021年6月末に公開予定
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