2022 Fiscal Year Research-status Report
前近代オスマン朝の住宅史の再構築:接客空間の形成を中心に
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20K14936
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
川本 智史 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (10748669)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オスマン朝 / 住宅 / 建築 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は昨年度に分析した史料「1455年イスタンブル家屋調査台帳」から得られた知見をまとめて、『都市史研究』に査読論文を投稿・掲載した。同様の内容は2022年6月にギリシアで開催された国際オスマン史学会にて発表をおこない、各国の研究者との討議を行い、好意的な反応を得た。ここではビザンツ末期の小規模な住宅建築とオスマン朝の住宅建築の間には大きな断絶があったと結論づけた。また比較の観点からオスマン都市の近代化についても考察し、20世紀初頭からイスタンブル市役所に奉職したオスマン・エルギンの著作の分析・翻訳を行った。 また同年8月にはトルコにおいて現地調査を行って、イスタンブルやアマスヤ、トカトなどに現存する18世紀以降の住宅建築の状況を確認した。これらの調査からは、18世紀前半をひとつの境として、住宅建築の空間に大きな変化が生まれたとの知見が得られた。 さらに2023年3月にはカイロでの現地調査を実施して、14世紀から17世紀にかけての住宅建築を調査した。いずれの住宅も規模や空間構成ともに同時期のオスマン朝住宅とは異なることが明らかになり、今後の比較考察を行う上で重要な知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年ぶりの海外現地調査を実施することにより、それまで文献から得た知見とつきあわせることで考察を深めた。また得られた成果は国際学会発表や論文として公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2023年度は、再度トルコ・エジプトでの現地調査を実施して研究内容の確認を行う。とくに17世紀後半に書かれたエヴリヤ・チェレビーの地誌の記述を元にして、住宅建築の移り変わりを考察する。ここで得られた成果は学術誌において論文として発表を行う。
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Research Products
(10 results)