2023 Fiscal Year Annual Research Report
スペイン・カタルーニャの近代化過程に関する建築論・都市論的読解と現代的展開
Project/Area Number |
20K14938
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Research Institution | Kyoto University of Arts and Crafts |
Principal Investigator |
人見 将敏 京都美術工芸大学, 建築学部, 准教授 (30707899)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カタルーニャ / 近代 / G.A.T.C.P.A.C. / 建築論 / 都市論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1930年代のスペイン・カタルーニャ州を中心に建築・都市の近代化に関する活動を行った建築家集団G.A.T.C.P.A.C.に着目したものである。当該集団による都市計画提案は実施には至らなかったものの、その中には、1980年代から行われ現在のカタルーニャ州・バルセロナにおける豊かな生活環境を導いた、優れた都市デザイン手法の一つとして現在も称賛される都市計画バルセロナモデルへの影響が散見される。 コロナ禍の影響により令和2,3年度はスペイン現地での調査研究を実施できなかったが、状況の改善した令和4年度以降は、当初計画していた現地での調査を実施した。最終年度の令和5年度も、前年度と同様に現地を訪れ、資料収集・調査を行った。 最終年度の成果として、まず、バルセロナ市内にあるミロ美術館内の、建築家ジュゼップ・リュイス・セルト・アーカイブを訪問し、施設職員の協力のもと所蔵資料のリストおよび図面・写真・書籍等の当該集団に関連する数多くの資料を閲覧・複写することができた。また同市内の書店・図書館等にて、当該集団に関するもの、ならびに上述のバルセロナモデルを含む現代のバルセロナの都市・都市計画について記された書籍等を複数点入手もしくは複写した。さらに、当該集団による建築作品で現存するものの多くを今回の調査で現地確認できた。建物自体だけでなく(現在の、ではあるが)周辺環境も合わせて確認できたことも成果の一つと考えている。 研究期間全体を通じて、これまで日本国内では得られなかった当該集団に関する一次資料(図面資料等)・二次資料(関連書籍)を数多く収集でき、また現存する建築作品の現地確認・調査も同様に数多く行うことができた。得られた資料・調査内容を読み解きどのように建築論・都市論としてまとめていくかは、今回の研究期間に完遂できなかった調査の継続と合わせて、今後の研究課題としたい。
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