2022 Fiscal Year Annual Research Report
Demonstration of Graphite Nozzle Erosion Suppression in Hybrid Rockets Through Regenerative Cooling
Project/Area Number |
20K14946
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
KAMPS LANDON 北海道大学, 工学研究院, 特任助教 (70869502)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ハイブリッドロケット / ノズル浸食 / 再生冷却 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は、黒鉛ノズルの冷却による浸食抑制効果の解明および黒鉛ノズル浸食抑制を実現する再生冷却式ハイブリッドロケットの実証である。再生冷却黒鉛ノズルを実証するために明らかにするべき学術的「問い」は以下の3点である。(1)冷却によるノズル浸食の抑制は可能か、(2)液体酸化剤による十分な冷却は可能か、(3)再生冷却黒鉛ノズルシステムの設計解は存在するのか、である。研究実施計画は、これら3つの学術的「問い」に応じて段階的に設定した。第1段階として、冷却による黒鉛ノズル浸食抑制効果を定量的に検討するため、入手が容易な水を冷却材として燃焼実験を行い、ノズル内部の温度データを蓄積した。10回以上の燃焼実験の結果から、適切な流量で冷却することでノズル浸食を抑制可能であることが確認された。これらの結果により、本研究における明らかにすべき問い(1)が実証できた。これに加え、ロケットにおけるノズル浸食に関する数値計算を専門的に研究しているローマ大学の研究者らと共に、ノズル浸食と温度の関係についてジャーナル論文を投稿した。第2段階として、金属の3Dプリントと従来の溶接を組み合わせて、再生冷却経路を含むノズルを製作し、冷却材に液体酸素(LOX)を用いる10回以上の実験を行い、ノズルの内部の温度データを取得し、液体酸化剤による冷却は可能かを明らかにした。第3段階として、ノズルの冷却材として供給したLOXを酸化剤としてモータに供給する「再生冷却」という方式で10回以上燃焼実験を行い、世界で初めて黒鉛ノズル浸食を抑制しながら、ハイブリッドの再生冷却を実証した。
|