2020 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of Flow Control Device for Achieving Low-boom and High-lift Supersonic Aircraft
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20K14947
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 聖幸 東北大学, 工学研究科, 准教授 (00794067)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レーザー誘起絶縁破壊 / 衝撃波 / プラズマ / 励起反応 / 推力 / 力積測定 / 熱電離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではビーム誘起絶縁破壊にて生成されるプラズマ及び衝撃波を利用した飛行デバイスを確立すべく,ビーム誘起プラズマの数値シミュレーションと推力測定実験の両側面から研究を実施する.ビーム誘起プラズマはカットオフ密度が高い事から高密度且つ高温になる傾向にあり,この高密度プラズマを利用して背景の中性粒子を駆動し,高速流を誘起する事で新たな飛行システムの確立が期待される.当該年度はプラズマと電磁波の相互作用を記述出来る数値モデルを開発した.その際,電磁波の陰的ソルバーを改良する事で高速計算を可能にし,ビーム誘起プラズマと衝撃波の駆動原理を探った.これにより,プラズマ,電磁波,中性粒子輸送とがどのように相互作用するかが明らかとなり,特に中性粒子の励起反応に伴って発生する輻射熱輸送がプラズマ駆動の維持に重要である事が示された.また照射ビーム強度を下げていくと熱電離過程が重要となる事が示された.またプラズマと電磁波の相互作用を利用した飛行デバイスを超々ジュラルミンを用いて製作し,4 J 級二酸化炭素レーザーを用いたレーザー照射放電実験を行う事で飛行デバイスに加わるインパルス測定を実施した.インパルス計測には新しく開発した振り子型インパルス測定装置を用い,電磁石とナイフエッジとを組み合わせることで分解能数mNオーダーの高精度な推力計測を可能にした.インパルス計測により,飛行デバイス周辺でビーム誘起ブラスト波を誘起する事で,飛行デバイスに対し軸力,横力,回転モーメントが獲得可能である事が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビーム誘起プラズマとそれに伴う高速流を利用した新たな飛行デバイスの確立が本研究の目標であるが,高速計算を実施出来る数値計算コード開発と mN オーダーの超高分解能の力積測定装置開発に成功した.また飛行デバイスを開発した上でインパルス計測に成功した.以上の事から,おおむね順調に研究が進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は雰囲気圧力やビーム周波数を変化させて数値シミュレーションを実施し,飛行デバイス周りの流体場制御に最適な条件を模索する.また繰り返しパルスを照射した際に任意の軌道に飛行デバイスを制御可能であるか,数値シミュレーションと実験の両側面から検討を行う予定である.
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