2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Digital Twin Shipbuilding Process Simulation Method Using Actual Process Data
Project/Area Number |
20K14962
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
満行 泰河 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40741335)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 船舶建造プロセス / 離散イベントシミュレーション / 計画・設計・生産システム / デジタルツイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、建造実績データを活用したデジタルツイン造船工程シミュレーション手法の構築を目指す。造船建造工程における不確実性のモデル化と、過去の実績データからシミュレーションモデルを逆推定する手法を開発することで、精度が高く、かつ不確実性を考慮した合理的な生産計画を策定する。また、現在の実績データを用いたシミュレーションベースでの工程分析と意思決定によって、状況の変化に応じた合理的な工程管理を実現する。 造船工程における種々の不確実性のシミュレーションモデルへの組み込みについては、製品・ワークフロー・チーム・工場の4つに分けてモデルを作成し、ワークフロー内の各タスクを実施するときに発生する不確実性として、予め設定されているスキルに実施できるかどうかを確率分布で表してシミュレーションをするように組み込んだ。また、過去の実績データからシミュレーションモデル逆推定手法の開発については、造船所に過去の実績データサンプルをいただき、そのデータからシミュレーションモデルを作成するトライアルを実施した。結果としては、それぞれの作業者における作業実施順序のズレはあったものの、傾向としては概ね実績データと一致するシミュレーションモデルを作成することができた。また、現状までの成果をPython版のパッケージであるpDESyとして登録することで、本研究で構築したシミュレーションモデルを誰でも気軽に試すことができる環境を用意した。実際に、複数の造船所の方々にトライアルを実施してもらうことで、モデルの合理性に関する議論をすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの開発項目のうちの1つである「現在の実績データを用いたシミュレーションモデルのパラメータ更新手法の開発」については2020年度は実施できなかったが、残りの「造船工程における種々の不確実性のシミュレーションモデルへの組み込み」と「過去の実績データからシミュレーションモデル逆推定手法の開発」については、シミュレーションの枠組みをオープンソースにすることで、複数の造船所の方々と詳細なレベルで議論し、合理的なモデルと枠組みが構築できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在の実績データを用いたシミュレーションモデルのパラメータ更新手法の開発を中心に行う。また、実際の造船所のデータを得るには様々なハードルがあるため、仮想的な造船所の建造モデルとデータを作成し、手法の開発と検証を行うことができる環境を構築する。
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Causes of Carryover |
2020年度は主にシミュレーションモデル開発がメインだったため、計算機を購入する必要性がなかった。また、コロナの影響で国際学会への参加を見送った。次年度は本研究の成果を国際学会で発表することを予定しているが、コロナでリモート参加になることも予想される。その分は、システム開発にかかる費用に計上することを計画している。
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