2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K14965
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| Research Institution | Ashikaga University |
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Principal Investigator |
飯野 光政 足利大学, 工学部, 助教 (60781961)
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2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 波力発電 / 振動水柱型波力発電 / 水槽実験 / 一次変換部 / 非線形振動 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では波高が高くなるにつれて、水柱の運動方向が変化し、共振周期が長周期化する「共振点追従型振動水柱」を新たに提案し、その原理を水槽実験により検証する。
今年度は傾斜振動水柱の運動を、水柱を同質量の剛体として扱う一自由度動力学モデルとして定式化し、式に基づく共振周期推定を可能とすることと、水槽試験では期待される水柱の運動特性と共振周期の変化が生じることを確認することを目的として研究を実施した。
動力学モデルとしての定式化においては、運動方向の変化を加味するために既往の研究で申請者の用いた水柱を剛体としてモデル化する方法ではなく、非定常ベルヌーイの式に基づき、水柱の運動挙動の定式化を行った。定式化の結果、水面の運動方向の変位を変数とした常微分方程式として、申請者の提案する運動方向が途中で変化する振動水柱の挙動を表現することができた。
原理検証の水槽実験では当初の計画の通り、垂直振動水柱、傾斜振動水柱と共振点追従型振動水柱の3系統の模型を利用した実験を行った。水柱の断面積が75㎜×75㎜の模型を水深120mmまで沈め、透過波、規則波条件での実験を行った。タービン発電機によるエネルギー取得を模擬するノズル板を1/20～1/100まで変化させた実験を行った。共振点追従型においては傾斜部を水平面から45度、30度、20度の三種類に変化させた実験を行い、傾斜型では傾斜角20度とした模型で実験を行った。共振周期に波高依存性がないことと、共振点追従型では傾斜角30度とした模型において、波高が高くなるほど、共振周期が10％程度長周期になることが確認でき、また、同じ波高ではノズル板の空気流出口が広い、振動水柱の運動の振幅が大きい条件ほど共振周期の変化が顕著に表れた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は共振点追従型波力発電の運動方程式に基づく共振周期推定式の導出と、共振点追従型波力発電の基本原理の検証を目的とした。現在までの進捗では水柱の振動運動の運動方程式の導出は完了したものの、解析解が求められる形となっていないため、共振周期推定式の導出は完了しなかった。また、基本原理の検証実験においては共振周期の変化が確認されたため、波高が高くなるほど共振周期が長くなるという定性的な特性の確認は完了した。しかしながら、振動周期の変化は10％程度にとどまり、実海域においては高波高では振動周期が50%程度長周期化することを考えると、出力向上のためにはより大きな変化を実現できる形状の検討が必要である。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は、申請当初の予定では動力学モデルを用いた動的解析手法を確立し、1年目に実施した水槽実験結果と比較して検証を行う。さらに、共振点追従型振動水柱の傾斜角を変化させることによる、共振周期の変化をとらえることを目的として、新たに傾斜角を変化させた水槽試験模型を作成することとしていたが、本年度の実施状況を踏まえて、以下の通り研究を推進する。
動力学モデルを利用した動的解析手法の確立においては、申請時の予定通り今年度導出した運動方程式を数値計算が可能な動的解析プログラムを作成し、一年目の水槽実験の結果と比較検証を行う。加えて、今年度の課題となっていた共振周期の推定に関して、解析解が求まらない場合はシミュレーションによる数値解の計算により共振周期を逐次求める設計ツールを構築する。
水槽試験においては申請時に予定していた傾斜角の変化に加えて、傾斜部が始まる角度と没水深の影響も評価し、傾斜角以外の設計パラメータが振動特性に与える影響も評価する。
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| Causes of Carryover |
感染症拡大により、当初予定していた模型作成と水槽実験予定が遅延したため。
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Research Products
(1 results)
