2020 Fiscal Year Research-status Report
GHG削減戦略評価のための海上輸送シミュレータの開発
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20K14967
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| Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
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Principal Investigator |
和中 真之介 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (50846863)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 海上物流システム / ネットワーク最適化 / GHG排出量削減 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
IMOにおいてGHG(greenhouse gas: 温暖効果ガス)削減に向けた戦略が示されたことを受けて、 海上輸送システムは全体として2100年までに大 きな転換を要求されている。本研究の目的は、海上輸送におけるGHG削減に向けた戦略を評価するシミュレータを開発することである。
本年度は、海上輸送システムをネットワークモデルとしてモデル化し、輸送需要と船舶の性能情報、船団構成を入力として、最適化計算に より輸送経路を算出、GHGの排出量や全 体の運航コストを計算するシミュレータの開発を行った。本研究のシミュレータでは、宇宙開発やインフラ設計などで実績のあるINFINITモデルと呼ばれるネ ットワークモデルを海上輸送システムに応用することで、動的なネットワークの変化を考慮した評価を可能としている。
バルクキャリアによる国際鉄鉱石輸送に対象を絞り、シミュレーションの結果と実際の荷動きの動向を比較し、シミュレーションの妥当性の検証を行った。また、将来の代替燃料船として、水素燃料船を仮定し、複数の導入シナリオでどの程度二酸化炭素を削減できるのか、その際の輸送コストはどの程度上昇するか、等の評価を定量的に行い、開発シミュレータが海上輸送におけるGHG削減に向けた戦略検討に有用であることを示した。また、評価結果をもとに、2050年までに輸送システム全体で50%の排出量削減を行うことを前提とした際に、必要となる導入量や導入時期、減速航行の度合いについて考察を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、海上輸送におけるGHG削減に向けた戦略を評価するシミュレータを開発することであるが、ベースとなるシミュレーションの開発とその妥当性の検証を行うことができたため。また、開発シミュレーションを用いたケーススタディも複数行えており、おおむね順調に進展していると言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、開発シミュレーションの詳細化と、代替燃料船導入時のインフラ位置の最適化手法の実装を行う。また、戦略検討のためのユーザーインターフェースの実装についても進める。
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| Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、予定していた学会や出張が延期となったため。また、今年度はシミュレーション本体の開発に注力し、データ作成や整理、データベース化については来年度に実行することとしたため、それに必要な人件費等は来年に繰り越すこととした。
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