2021 Fiscal Year Research-status Report
海潮流情報を考慮した海域上の衝突蓋然性の予測とそれに基づく航路選定技術の確立
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20K14973
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
河島 園子 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (60757722)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 衝突蓋然性 / 海潮流 / 航路選定 / 機械学習 / 分類アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、自動運航船が海潮流を考慮して衝突蓋然性のない安全な航路を航行することを実現するために、海潮流情報及び船舶動静情報の両面から海域上の船舶間の衝突蓋然性を予測し、衝突蓋然性のない航路を選定する技術を確立することである。計画している主な研究項目は、①海潮流下の船舶行動の分析とモデル作成、②海潮流下の衝突蓋然性の予測手法の構築、③衝突蓋然性のない航路の選定方法の検討、である。 本年度は、上述した研究項目の①のうち、海潮流下の船舶に対して、衝突に繋がる危険な遭遇をした船舶間の潜在的な衝突発生数を示す指標である「遭遇頻度」を、対象海域に計算格子を導入して計算した。具体的には、前年度に調査した船舶行動に影響を及ぼす海潮流の要素である海潮流の向きと強さについて船舶行動に時間的変化が見られるデータを対象として、関門海峡及び来島海峡を航行する船舶の遭遇頻度を計算し、その計算結果の時間的変化を分析した。この結果、遭遇頻度の計算結果に時間的変化が見られ、遭遇頻度が高い場所にも違いが生じることが確認できた。一方、遭遇頻度の計算結果は計算格子の大きさにも依存することも分かったため、適切な計算格子の大きさを次年度以降に検討する。 研究の成果は、次年度に学会の講演会等で発表していく。 なお、申請者は、産前産後の休暇及び育児休業の取得に伴い、本補助事業を令和2年9月14日より中断し、令和3年10月1日に再開した。そのため、本年度の研究期間は6ヶ月間である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は、産前産後の休暇及び育児休業の取得に伴い、本補助事業を1年強中断したため、1年度ずつ繰り下げて実施しているが、繰り下げた計画内容に対してはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書(D-2-1)及び補助事業期間延長申請書(F-13-2)にて記載した研究実施計画に従い、本研究を実施する。
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Causes of Carryover |
当初は、船舶動静情報データとしてAISデータを購入する予定であったが、前年度及び本年度は、所有するAISデータを用いて研究した。 次年度は、大量のデータの処理を行うため、データ処理用計算機及びデータベース用ハードディスクを購入する。なお、情報収集及び研究発表のために国内学会に参加することを想定しているため、旅費及び参加費に充てる。
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