2023 Fiscal Year Annual Research Report
Strategies for collecting high-precision facts that contribute to medical near-miss/adverse event analysis: Establishing guides for writing incident reports
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20K14985
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| Research Institution | Jichi Medical University |
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Principal Investigator |
前田 佳孝 自治医科大学, 医学部, 講師 (40754776)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | インシデントレポート / 医療安全 / 医療事故調査 / 事故再発防止 / 事故原因究明 / 安全教育 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は医療事故に関する事実の収集精度を高めることを目的とした。まず、事実をインシデントレポート（IR）に正確、十分に記載するための指標を明確化し、それにより実際に提出されるIRの情報量と質が向上することを検証した。また、指標を用いたIRにより、事故調査者が関係者に行う事実収集のヒアリングの質が高まることを検証した。具体的には以下を実施した。
A）IR記載指標の有効性検証
R4年度までに指標として、5W1Hを含む、目撃した事・物を含む、事象の時系列で箇条書きにする、各文に主語を含む等を明らかにした。また、それを用いて研修医らにIR記述研修を複数回実施し、指標の定着を図った。R5年度はこれらの研修の長期的持続効果を検証した。結果、複数回の研修6ヵ月後に研修医から提出されたIRでは、患者、薬品、医療機器に関する情報の記載率が研修前に比べて有意に高まった。また、報告者自身の行動、事故発生後の対応、本来の業務手順に関する記載も高い記載率を維持した。
B）ヒアリングの質向上に関する検討
指標を用いたIRによって、ヒアリングの質が向上することを実験により検証した。事故分析経験者11名と未経験者15名に質が異なる架空のIR（指標を用いた／一部用いた／用いないIR）を示し、各IRに対して対象者が列挙した質問の傾向を分析した。結果、指標を用いないIRでは出来事に関する調査者の推察に基づく質問が多く、指標を用いた場合はIRに基づいて事故要因を深堀する質問が多かった。また、指標を用いないIRでは、事故調査未経験者は経験者に比べて「人」に偏った質問が多かった．このように、指標を用いてIRを作成することで、その後のヒアリングにおける調査者の質問の質が高まり、結果として事故に関する事実の収集精度が高まる可能性が示唆された。
本成果により、医療事故の事実の収集精度が高まり、再発防止効果が向上することが期待される。
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